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企業インタビュー 詳細

Special Interview

ボストン コンサルティング グループ|マネージング・ディレクター & パートナー 岩渕様

Post Date2021-02-24 /
Category外資系, 戦略, IT・デジタル,

本日は、ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)、マネージング・ディレクター & パートナーの岩渕 匡敦様にインタビューの機会を頂戴し、BCGの強みや特徴、プロジェクト内容、求める人材像についてお話頂きました。

ご経歴について

EL

まず初めに岩渕様のご経歴についてお伺いできますか。

岩渕様

私は新卒でソフトバンクに入社し、買収したシリコンバレー系企業の日本事業の立ち上げ、その後複数のソフトウェア企業でのマネジメント経験を経て、会計系コンサルティングファームに参画しました。そこでは2つの大きな役割を担いました。1つは、あるグローバル大手クライアントの全体責任者という役割です。数十カ国のオフィスのパートナー達と協力しながら、戦略的なアカウントを拡大していくという業務でした。もう1つは新規のデジタル関連コンサルティングの事業立ち上げです。こちらは全くのゼロの状態から50人程度の戦略部門にするための立ち上げをリードしました。その後、別の戦略コンサルティングファームに参画後、より大きなインパクトを産業に与えたいと思いBCGにジョインし、現在に至ります。

EL

BCGに入社後はどのような役割を担われているのですか。

岩渕様

BCGのデジタルはアンブレラブランドになっており、旧来からあるテクノロジーアドバンテージというチームのほかに、BCG GAMMAというデータサイエンスのチーム、BCG Platinionというアーキテクチャーやデザイナーなどのチーム、BCG Digital Ventures というクライアントとジョイントベンチャーを作って新規ビジネスにコミットするチームもあります。他のシニアリーダーと共に、その全体を統括するのが私の役割です。一つの領域だけに特化してそれで終わりではなく、デジタルに関わるプラクティス全体をきちんと強くしてクラアントにとっての価値を大きくしていくという、非常にBCGらしい取り組みをしています。

BCGの特徴について

EL

御社のコンサルティングで他社にはない特徴はどのようなところだとお考えですか。

岩渕様

創業者のブルース・ヘンダーソンは「世界一優秀な人達を集めて世界一難しい問題を解く」というチャレンジングな創業の精神を持たれていたと聞いています。やはりそれが我々BCGの本質だと思います。

多くののコンサルティングファームは、問題解決の型が決まっていて、その型を学ぶことでコンサルティングが効率的にできることを志向しています。しかしBCGの場合はそれとは逆に、過去に例の無いような問題が来ると皆が喜びます。社会に新しい価値を生むためには、これまでにやったことがないことにチャレンジしていかなければならない、という精神がBCGの核にあると感じています。特に私は他ファームから転職したので、その点を強く感じています。

加えて、手掛ける仕事がかなり多様になっている中でBCGがもう1つこだわっているポイントがCEOのアドバイザリーというポジションです。一番難しい問題を解くということは経営で言うとトップ層の問題を解くということになります。デジタル領域であってもCEOのアドバイザリーとして複雑な問題を解いていくというのがBCGの特徴の一つであると考えています。これは“Unlocking the potential of those who advance the world”(世の中を前進させる企業や人々のポテンシャルを解き放つ)という我々のパーパスの部分にも関係しています。この言葉は我々のユニークさを的確に表していると考えています。

現在、日本企業は様々な困難に直面していると言われますが、そこには非常に高いポテンシャルを持った人、アセット、データ等が存在します。そこに我々が一緒に仕事をさせていただくことによって、そのポテンシャルを解き放っていこうという考え方です。そのため、例えば短期的な改善を目指してコストカットを提案するというよりは、新しい事業を創造する・新しい仕事のやり方を浸透させる・新しいカルチャーを作るなど、そういうポテンシャルを解き放っていくところに注力しているのが、BCGのもう1つの特徴です。

EL

御社は業界内でも強いプレゼンスを発揮されていますが、その根源はどこにあるのですか。

岩渕様

一つは先ほどお話しした創業時の考え方がカルチャーとして根付いているという点です。もう一つは、BCGの日本における規模の大きさと、60年近い歴史です。これまでの仕事およびCEOからの信頼の積み重ねにより今があるので、これは簡単にはリプレイスできるものではありません。仕事のレベルの高さを保ちながら新しいことに挑むからこそ進化でき、これを持続する力というのは、地味ではありますが非常に強いです。また、あまり知られていないことですが、弊社のシニアパートナーを中心とした面々の人間的な迫力や仕事のレベルの高さというのは圧倒的です。長く経営層の信頼を受け、研鑽してきたリーダー達が今も現場でトップレベルの仕事をリードし、そこから次の世代が育っていくという良い循環があると思います。

プロジェクトについて

EL

BCGならではという特徴あるプロジェクト事例があれば教えていただけますか。

岩渕様

やはり新しい付加価値を世の中に生み出していくという領域が多いですね。最近多いのは、コンサルティングという枠を少し超えますが、クライアントと一緒に事業を作る上で、BCGのメンバーが入ってプロセスや組織、ケイパビリティまでを全部作り上げた後に、クライアント側に引き継いでいくというBuild-Operate-Transfer(BOT)と呼んでいる新しい方式です。我々がCOOのような役割を担い、弊社のマーケッターやデザイナー、データサイエンティストといったエキスパートがプロジェクトに参加し、事業自体を一緒に作らせて頂くということです。当然、同じぐらいの人数のクライアントのメンバーにも参画頂き、一緒にお仕事させていただく。それがある程度、事業として形になってきたら、今度はそれまでにやってきたプロセス等をクライアント側にすべて移転し、クライアントが自走出来るところまで持っていくということです。アウトソーシングにより業務自体を切り出すのではなく、一番難しい立ち上げやスキル継承を我々が伴走しリードする、事業の安定を見越しクライアントが自走することを目的とします。このアプローチの方が事業全体の業績インパクトは確実に大きくなります。

また他のコンサルティングファームでもアナリティクスなど、様々なデジタル技術のサービスをされておられると思いますが、前述のように我々はCEOの経営アジェンダにこだわっています。我々が一緒にお仕事をさせていただく限り、短期・中期・長期、いかなる期間でも経営へのインパクトという結果に必ず繋げるところが弊社のユニークネスだと思います。「手段としての分析ができます」「ITが構築できます」といったことは経営からしてみると単に技術論であって、それができたからといって経営が良くなるとは限りません。BCGが担当させていただく取り組みは、必ず経営の結果に繋がっています。そのため1つ1つの案件の意味合いがとても大きくなります。「我々はここまでやったのだから、これ以上はクライアントの責任で、あとは知りません」ということはBCGではできません。きちんとクライアントの価値になっていくところにクリアにフォーカスしています。従ってクライアントの皆様とも本気での取り組み、ということになります。

BCGの今後のビジョンについて

EL

今後、御社をどのように発展させていきたいか、ビジョンをお伺いできますか。

岩渕様

デジタルの領域や新しいコンサルティングをより強化するというのは、グローバルでも明確な方向性です。またこの取り組みは日本が先行している領域も多く、現在は仕事のかなりの比率がデジタル関連のプロジェクトになっております。なぜならクライアントの置かれている環境がそうなってきているためであり、我々もよりデジタル関連の経営アジェンダにフォーカスしていきます。

日本のオフィスのデジタル人材の人数は約300名に及びます。プロフェッショナル全体に占める比率からしても、相当な人数です。そのメンバーが「Oneチーム」でプロジェクトを推進しています。デジタルチームとコンサルタントといった区別をするのではなく、クライアントへのバリュー創出を目的にプロジェクトが設計され、多様なケイパビリティを持つメンバーがリスペクトし合いながら、フラットな組織で協力しながら働いていきます。これをより大きな規模、ケイパビリティで進めていきます。

とはいえデジタルだけに閉じてもいません。弊社では様々なエキスパティーズを持った多様な人材を受け入れています。元医師もいれば、研究員・官公庁の事業責任者クラス、プラットフォーマーの事業企画責任者など、多様な人たちの受け入れを更に強めております。戦略ファームはクラシック音楽のようなもので、それぞれに割り当てられたパートが譜面に沿ってしっかりときれいに弾くのが良しとされると言われます。しかしBCGの場合は様々なタイプのプレイヤーを敢えて採用し、各々自由度を持って活躍するのが、音楽としては魅力的に響くという、ジャズの世界に近いと感じます。

単に性別や人種が多様であるというだけではなく本質的な意味でのダイバーシティ、つまり多様性あるトップクラスの人材が揃い、それがジャズのように緊張感あるセッション、インプロヴァイズしながら常に新しいものを創造し、自分たちをイノベートしていく。こういった方向性は今後も変わらないどころか、より一層強化されると考えています。

EL

コンサルタントのあり方はどのように変わってきていますでしょうか

岩渕様

クライアントに価値を出すというコンサルティングの本質は変わりませんが、我々の動き方、考え方、ビヘイビアのシフトが求められています。サイエンスに加え、アートの要素がこの業界にも入ってきているとも言えます。より一層、人間の感覚やヒューマニティに敏感な人の方が、ここから先はとても活躍するのかもしれません。そういう方々にとっては、新しい仕事の仕方により認められてBCGで花開いていくチャンスでもあると思います。

また我々には来ていただいた方が十分にパフォームしていただけるカルチャーとプラットフォームを持っています。私はコンサルティング会社や日本の会社を見た中で、プラットフォームとしてはBCGがベストだと思い入社しましたが、BCGで実際に働く中でその考えは確信に変わりました。携わっているプロジェクトの内容も、過去取り組んできたものよりはるかに面白く、大きな意味があります。なかなか中身をお話しできないのが残念ですが、若手のメンバーが目を輝かせてやってくれるような仕事が非常に多いです。新しい価値を作る仕事というのは前向きだから楽しいですよね。単に費用を削減するとか、リストラするといったものと比べると、やはり新しい事業を造ったり、クライアントの働き方を変えていくというのはとてもポジティブです。ですから、若い方が非常にモチベーションを高く働いてくれています。

求める人物像について

EL

御社のコンサルタントとして求める人材像について教えていただけますか。

岩渕様

先ほどの“Unlocking the potential”という言葉に表れているように、我々はクライアントのポテンシャルを解き放っていくことがミッションです。トップの経営層の方々を含め会社全体と関わっていきますので、非常に社会的責任が大きいです。ですから、そのような難しい仕事をしながら社会に対してインパクトを出していきたいという基本的な想いや考え、志がしっかりしている方が結果的に長く残っています。これは我々としては大変重視していることの1つです。もちろん問題解決能力があるのは大前提ですが、それと同時にパッションやクライアント企業にしっかりと貢献していきたいという気持ちが非常に重要だと思います。

BCGで働く魅力について

EL

御社を志願する方の参考にBCGで働く魅力についてお伺いできますか。

岩渕様

1つは弊社の特徴でお話したように、トップ経営層の方々と直接仕事ができるということです。それは単に会うだけではなく、意思決定を一緒になって考え、その結果として世の中にプロダクトになって出る時もあれば、事業を成長の軌道に乗せることもあります。そういうトップ経営層の方々に対してしっかりと価値を出していけるというのは、1つ大きな魅力です。もう1つは先ほどの創業の精神にもありましたように、トップクラスの人材を採用し育てる点です。これは弊社のどのオフィスでも同様です。特に現在のオンラインでの連携が当たり前の世界では、世界中の知恵を即座にクライアントの価値に換えることが可能です。世界でもトップレベルの人たちが集まる環境で社会的意義のある仕事をやっていけるというところが非常に面白い。これはやはり大きいですね。また卒業後にベンチャーで活躍する方も多く、広義のBCGネットワークが拡大しているところも魅力ではないかと思います。

そして最後に、“Unlocking the potential”という言葉は社員にも向けられており、BCGにはメンバーの力を徹底的に伸ばしていくカルチャーがあります。入社した新しい仲間がどうやったら立ち上がるかを真剣に考え、サポートしていく、これはとても徹底されています。参画当初は文化や仕事の内容の違いで苦労する方もいらっしゃいますが、その方が何に苦労され、どのように感じているのかを、しっかりと会話しながら一人一人サポートしていきます。個人のポテンシャルを引き出すために真剣に考え、サポートすることが当たり前の文化となっているということは非常に強いものがあると思います。

EL

最後になりますが、公募者の方に対して何かメッセージをいただけますか

岩渕様

我々が手掛ける仕事は、知的好奇心がある方や社会に対してきちんとしたインパクトを出していきたいという方には非常に面白く感じていただけると思います。そういった志を持っている方々には是非BCGにチャレンジして頂きたい。是非一緒に新しい世界を創っていきましょう。経営の世界に非常にヒューマンセントリックスな新しい世界観を創っていければ、我々としては嬉しいですね。

EL

貴重なお話をありがとうございました。

企業プロフィール

Profile

ボストン コンサルティング グループ(BCG)

この企業の詳細情報
  • 岩渕 匡敦 ( Iwabuchi Masanobu) 様

    マネージング・ディレクター & パートナー

    BCGのデジタル専門組織であるDigitalBCGの日本リーダーの1人。BCGテクノロジーアドバンテッジグループ、ハイテク・メディア・通信グループ、およびコーポレートファイナンス&ストラテジーグループのコアメンバー。INSEAD International Executive Programme 修了。ソフトバンク、複数のIT・ベンチャー企業、Deloitteのデジタル戦略プラクティス責任者、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経てBCGに入社。産業横断でデジタル戦略・トランスフォーメーション、先端技術を用いたイノベーション創出、デザインマネジメント、サプライチェーンなどのプロジェクトを20か国以上で経験。

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