株式会社マネジメントソリューションズ|アソシエイト・ディレクター 沢田様
Post Date:
2021-04-28 /
Category:
IT・デジタル, 日系,
本日は、株式会社マネジメントソリューションズ(以下、MSOL)、アソシエイト・ディレクターの沢田 祐馬様にインタビューの機会を頂戴し、MSOLへの入社の経緯、プロジェクト内容、入社後のキャリアパス、求める人材像についてお話頂きました。
ご経歴について
EL
沢田様のご経歴について教えてください。
沢田様
法学部法律学科を卒業し、2000年に国内の独立系SIerに就職したのがキャリアのスタートになります。2000年頃は都市銀行における統廃合の機運が高まっており、私はプログラマーからSEとして、一貫して銀行の統廃合プロジェクトに関わり、金融機関のITプロジェクトに従事してきました。入社後10年程で管理職になり、現場でシステムを作る立場から、いくつかのプロジェクトチームのラインマネージャーとして要員や予算管理、営業に10年ほど携わるようになりました。マネジメントの重要性を意識し始めたのはその頃からです。前職には19年ほど勤め、キャリアチェンジとして2019年1月にMSOLに入社しました。転職動機のひとつとして、ラインマネジメントになって現場と遠ざかってしまったことがあります。私はどちらかというとプロジェクトベースで、みんなで一緒に仕事をし、最後にゴールの達成感が味わうのが好きでした。前職での後半のキャリアは、現場から離れましたが、お客様の経営層や部長層とお話しをする機会にも恵まれ、「プロジェクトマネジメントそのものがうまくいっていない。」というお悩みを多くお聞かせいただきました。私も、モノづくり以外のプロジェクトマネジメントの導入・立上げを直接ご支援させていただく中で、やはりマネジメントが重要だと気づき始めていましたが、その頃はまだ転職に踏み切るまでは至っておりませんでした。そんな中、前職で出張に行った際、たまたま購入した本が、MSOL代表の高橋が書いた「PMO導入フレームワーク」という本だったのです。これを読んで、「お客様が悩まれていることや、実際に私が一部支援させていただいて喜ばれていることはこれなのだ!」と確信しました。この本をきっかけにMSOLという会社を知り、この会社ならプロジェクトの現場で仕事ができそうだという期待が膨らみ、MSOLの門を叩いたというのがきっかけです。「もう一度現場で仕事をしたい。」という思いと、「これからはマネジメントが絶対に重要になってくる。」という思いが重なり、転職に踏み切りました。
EL
その際には、他の会社は見られたりしなかったのですか?
沢田様
いくつか検討しましたが、頭には「PMO導入フレームワーク」が印象深くあり、マネジメントを専門的に行っているのはここしかないという思いはありました。
EL
19年間勤められた会社を転職するというのは、なかなか決断が難しかったと思います。決心された理由を教えていただけますか?
沢田様
金融業界が大きな構造改革をしなければならない、はしりの時期でした。前職でずっとご支援させていただいたクライアントから、「2019年の春くらいから大規模な開発プロジェクトが本格的に走り始めるので、沢田さんが現場でPMの支援をしてほしい」と直接お願いをされました。前職での私の上司に当たる部門長に、お客様からラインマネージャーとしてではなく、現場に降りてきてプロジェクトを一緒に支援してほしいとお願いされており、それに応えたいと相談しました。しかし、「他のクライアントもあるから今は現場に戻るのは厳しい。現場はお断りせざるを得ない」と言われました。その頃は既に私はMSOLのことを知っていたので、気持ちは傾きましたね。そのお客様に、「仮に私が今の会社を辞めてMSOLに転職をしても、私にも仕事をいただけますか」と駄目もとで聞いてみたのです。そうしたら、「ぜひお願いしたい」とおっしゃっていただけました。本当にマネジメントの支援をしてほしいと思われているのと、MSOLという会社はそれなりに信頼があり、お客様から見ても受け入れられる会社なのだということが確認できました。MSOLの採用面接時に一連の経緯を話し、入社させていただいた暁には、今のお客様からの引き合いをMSOLとして支援させていただきたいという相談をしたのです。そうしたら、快く新たな取引先として前向きに進めていただいて、結果的に今もご支援させていただいています。たまたま本に出会ったことと、偶然そのタイミングでプロジェクトマネジメントの支援をしてくれというお声掛けをいただいたことが続いて、背中を押してくれたので、ちょっとした運命を感じています。
EL
実際に入社されて、入られる前とイメージは変わりましたか?
沢田様
PMの長年の知識や経験が、本当にたくさん蓄積されていました。プロジェクトマネジメントの書籍などは多く出版されていますが、そこには書かれていない実際に支援した生の経験や、そこで得た成功事例、失敗事例もたくさん蓄積されています。こうすればいいというナレッジが蓄積されているので、MSOLがPMOのリーディングカンパニーと言われているだけあると、入社してから感じました。私には今までの前職での経験値しかないので、こういう考え方もあるというのが非常に勉強になりましたね。最初の1年間はMSOLに蓄積されているナレッジで、かなり勉強させていただきました。それを現場に還元して手応えを掴んでおり、その点がほかのコンサルティングファームやSIerが手掛けているPMOとは違うのではないでしょうか。実績が蓄積されているところが強みだと感じています。
EL
ナレッジが整理されているとのことですが、どのように情報が得られるのでしょうか?
沢田様
今まで蓄積されたナレッジのポータルサイトがあるので、キーワード検索で必要なドキュメントを確認することが出来ます。加えて、コンシェルジュのような形で、知りたいことを投げれば、いろんなコンサルタントが応答して教えてくれる仕掛けもあります。いわゆるドキュメントベースで整理された情報にプラスして、今知りたいことを別のチームのコンサルタントが返してくれる仕掛けがあるということです。ナレッジのシェアという意味では非常にうまい仕組みが整っているのが、入ってみて良いと感じたことですね。さらに、私が本当に素晴らしいと感じたのは、仕組みがあって「教えて」と投稿しても、そういったことは形骸化されていて、ある特定の人だけが返すというような、あまり活用されてないケースは多々あります。ですが、そうではないのがMSOLの面白いところです。多少ポイントがずれていても、「こういう実績がある」というのを何人も返答してくれます。それぞれが教え合い学び合うことが文化として醸成されているのがとても良いと思いました。
EL
前職の会社との違いはありましたか?
沢田様
現場で仕事をしたいというのがMSOLに入った最大の動機でしたが、入ってからは、さらにもう1つ自分の中にやりたいことが見つかりました。MSOLは設立されてから15年が経っていますが、まだベンチャー気質のところがあります。社員が多くを学びながら、これからどんどん大きくしていこう、良くしていこう、社内の制度もしっかり整えていこうとみんなが考えているという社風があります。型にはまった組織の歯車の一つというよりは、会社の成長のストリームに乗って何かできそうな環境だと思いました。これから成長していく会社なので、採用の面接や支援をしたり、自分の金融のインダストリー系の教育・研修をしたり、社内に対して何か貢献していきたと思っています。いろんなチャレンジができる会社という意味ではすごく面白い会社だと思います。
プロジェクトについて
EL
今、手掛けられているプロジェクトの内容を、差し支えない範囲で教えてください。
沢田様
クライアントは銀行様になります。昨今は金融業界を取り巻く環境は非常に厳しく、利息も利率も低い状態が続き、金利ビジネスがなかなか成立しなくなってきています。コスト削減は喫緊の課題であり、銀行の方も今までの業務のやり方を抜本的に変える構造改革に取り組まれています。その中の一つとして、融資業務の中の住宅ローンがあります。これまでは人が書類を審査していたため、かなりコストが掛かっていました。そこに、AIやRPA を導入して審査を自動化したり、銀行とその関連会社が共用しているシステムの統合して業務を効率化するような複数の大規模開発プロジェクトを約2年前から本格的に立ち上げており、段階的なサービスインも少しずつ始まっています。そういったプロジェクトをご支援させていただいております。
EL
その中での貴社の役割を教えてください。
沢田様
現在、非常に大規模なプロジェクトがテーマごとに4本並走しています。MSOLの役割としては、4つの大きなプロジェクト全体のマネジメントをしている全体PMOの支援と、個別の大規模プロジェクトのPMを支えるためのPMO支援の2つになります。全体と個別の両側面から挟み込むような形でのご支援を約2年間担当しています。
EL
沢田様はその中でどういった役回りなのでしょうか?
沢田様
私は全体PMOに携わっています。当初の体制としては、全体PMOに1名と個別プロジェクトに3名という形で、計4名でご支援していました。段階的にリリースが始まり、現在は私を含めて2名でご支援させていただいている形です。基本的にそのプロジェクトには専任で関わっています。
EL
これまでお付き合いのある既存のクライアント内で別プロジェクトを立ち上げることが多いのでしょうか?
沢田様
そういったこともあります。今までは、どちらかというとクライアントの方から支援のご依頼を頂いていた状況でした。これからは、我々の会社やソリューションを知っていただかなくてはいけないフェーズに入ってきますので、会社として新規のクライアントに営業を行い、ご支援の範囲を広げていく必要があるとも思っています。
EL
求める人物像をお聞かせください。
沢田様
MSOLの会社は「Managementの力で、社会のHappinessに貢献する」を掲げています。それを実現するために、自分成長が会社の成長、MSOLの成長につながり、MSOLが成長することによって、クライアントの成長にも貢献でき、クライアントの成長ができれば世の中が良くなり、それが社会全体の発展につながるという、大きな循環を大きく回していきたいという想いがあります。そういった循環に共感していただけるような方は、入っていただいてもパフォーマンスを上げていると思っています。想いが同じベクトルを向いている人と一緒に働きたいですね。PMOとして明確に何をするのは決まっていません。逆に、プロジェクトを成功するためだったら何でもします。ですので、いろいろなキャリアを踏んできている人の経験が活かせると思います。現場でご支援をしていると、どちらかというと今までにない目線が思わぬ価値を出せるケースがあります。私らはずっとITのプロジェクトをやってきたので、そこの成功のセオリーは分かっていますが、ノンITで入ってきた方の視点に、その考え方もあったと驚かされることが結構あります。自分のキャリアを活かせる仕事であるので、是非チャレンジしてみてください。キャリアを活かして何かをしたいけれど、今までと同じことはしたくないと思った時に、我々のようなプロジェクトマネジメントの実行支援には、きっとどこかでキャリアを活かせて、新しい発見や成長にもつながります。そういったキャリアを積みたい方にはお勧めの会社だと思います。
EL
ノンITの方の気づきとは、どのようなものだったのですか。
沢田様
私がご支援しているプロジェクトでは多くの業務部門が関与し、それぞれの業務部門から玉虫色の要望が発生していました。IT部門はそれらの要望をできるだけシステム化するために受け入れてきましたが、ある時点で開発コストが計画を大きく上回ることが判明し、開発スケジュールも守れない状況に追い込まれたことがあります。IT経験のあるPMOは、IT部門が一度受け入れた要望を業務部門に対して覆しにいくことには及び腰になっていました。そこにITの経験のないメンバーが「これはそもそもシステム化する必要があるか」、「システム化せずとも代替手段があるのではないか」という業務部門寄りの発想で課題解決を推し進め、結果的にはプロジェクト期間が短縮し、コスト面の問題も解消されました。先入観のない発想が、大きな効果になるのを目の当たりにして、私自身の学びとなりました。彼自身も自分の発想が、プロジェクトに大きなインパクトを与えたという成功体験になり、ますます自信をつけて仕事にやりがいが出たようです。
EL
ノンITの方がIT案件にアサインされて活躍されているということでしたが、アサインはどのように行われているのでしょうか。
沢田様
MSOLのアサインは結構面白いですよ。もちろん金融であれば金融経験がある人をアサインするのが良いのかもしれませんが、単にマネージャーが経歴を見てアサインを決めるわけではありません。各コンサルタントと話をして、チャレンジしたいこと、自分がやりたいことをヒアリングして、本当にその人がやりたいことかどうかを必ず確認します。私たちはこれを、自律的キャリア形成と呼んでいます。金融経験がある方でも金融がやりたくてMSOLに入ったのではないという人もいます。そのコンサルタントの成長につながり、やりがいを持ってできるプロジェクトにアサインするようにしています。ノンITの畑でやってきた人がITを経験したいと言えば、ITのことを少しずつ教え、現場でサポートしながら経験を積んでもらうような体制を作っています。そこも面白いですよね。
EL
PMOなのでお客様と直接対峙する機会も多く話についていくのも大変だと思います。この辺りのキャッチアップはどうしているのでしょうか?
沢田様
現場で一対一の話しをさせるのが難しい場合には、私が必ず横に着いてサポートします。また、最初に必ずお客様と期待値合わせとして、コンサルタントのレベル感や期待すべきことなど現場で合わせながらやっています。
EL
MSOLで働く魅力を教えてください。
沢田様
私が今ワクワクしていること、イコール魅力ということでお話します。私はずっと金融をやってきて、今も金融のプロジェクトをやっています。ただ、MSOLでは金融以外にもいろんな業界業種のプロジェクトをご支援していますので、働く上では会社の中にキャリアの選択肢がたくさんあるというのが一つの魅力です。また、クライアントと伴走していく中で、戦略を書いたら終わりではなく、お客様と一緒に最後のゴールまで走り抜ける喜びをMSOLでは体験できます。この喜びは、プロジェクトをやったことのある人だったらお分かりいただけるかと思います。現場思考であり、プロジェクトベースの仕事が好きな私からすると大きな魅力だと思います。
EL
上の役職に昇進しても、ある程度は現場に携われるのでしょうか?
沢田様
ケースバイケースだと思います。例えば、ディレクターになったら一切現場は見られないかというとそうではなく、私の所属している事業部のディレクターはチームをマネジメントしているだけではなく、少し手間がかかりそうなプロジェクトがあれば現場に降りています。その辺りを含めて自由と裁量がかなり与えられています。基本的には、ディレクターのようにクラスが上がるほど、案件獲得のための営業、マネージャーやコンサルタントの育成やコンサルタントに現場を立て直すアドバイスをしたり、要員リソースを調整したりするのが使命かもしれません。しかし、それでもどうにもならない時は、プロジェクトを成功させるために自分が降りていくことを駄目だという風潮もありません。私も引き続き、なるべく現場にいたいと我儘を言い続けようと思っています。
EL
上のクラスの方だと、今までと違う業種を見るというのはなかなか難しいところがあると思いますが、そういった例もあるのでしょうか?
沢田様
難しいかどうかは人によりますが、結局チャレンジではありますね。特定業界で10年20年やって来た方に業務経験の深さでは当然敵いません。ただ、プロジェクトマネジメントにおいては、業務経験だけではなくコミュニケーション能力、調整力、人間観察力などの総合的な人間力が大きく作用します。我々MSOLのPMOは、人間力の切り口から入ってご支援できるところが強みです。ちなみに私も実際のところ、あまり金融領域だけにこだわっていません。どちらかというと、異なる業種のプロジェクトマネジメントの手法や成熟度にとても興味があります。
EL
今後のMSOL社の方向性について教えてください。
沢田様
PMO事業はリーディングカンパニーとしてやってきて、他社に対する強みもあると思っています。しかし、DXやテレワーク化など、いろいろな状況の変化がある中で、PMOのサービスがこのままでは、これ以上の発展もできません。PMOにシナジーをもたらすサービスをどんどん作っていくことが重要です。実際に一昨年ぐらいに、デジタル事業部を立ち上げています。また、コロナ禍以前から、オンラインでのリモートのPMOのサービスを始めています。これは、コンサルタントを1人月抱えられないような中小企業の会社の支援につながればという想いから始めたサービスです。あとは、海外ですね。国内だけでなく中国等、様々な国にもマーケットはあります。さらに、MSOLが社会のハピネスを目指す企業である以上、民間企業のクライアントだけでなく公共・国の業務にも携わっていけるような規模感も作っていく必要があります。
EL
最後に、転職を考えられている候補者の方に一言お願いします。
沢田様
MSOLはマネジメントの会社なので、これまでのご自身のキャリアをさらに活かしたい人と、これまでのキャリアとは別のキャリアをつけていきたい人の両方の方々がチャンスを掴める会社です。教え合って、一緒に学んでいきたいと考えている成長意欲の高い方は、きっと仕事をしていても楽しい会社だと思います。そういった方と一緒に仕事をしたいので、是非門を叩いてもらえればと思います。一緒に働きましょう。
EL
貴重なお話をありがとうございました。
企業プロフィール
Profile
株式会社マネジメントソリューションズ
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沢田 祐馬 様
アソシエイト・ディレクター
中央大学法学部を卒業後、独立系Sierで銀行、証券会社、電力会社などの システム開発・プロジェクトマネジメント経験を経て、2019年にマネジメントソリューションズへ入社。 主に金融機関にて基幹システム刷新等の大規模プロジェクトのマネジメント実行支援に従事。 2020年にアソシエイト・ディレクターに昇進し、現在に至る。