コンサルタント志望者向け資格10選!未経験でも有利になる理由を徹底解説
Post Date:
2023-07-01 / Update-date:
2024-11-29 /
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選考対策特集
コンサルタントに資格は必須ではない
まず初めに申し上げておきますと、コンサルタントになるために必須の資格はありません。医師や弁護士のように資格を持っていなければ就けない職業というわけではなく、特定の資格を持っていなくてもコンサルタントとして働くことができます。
では資格は全く取る必要がないのかと言えば、当然そういうことではありません。資格を持っているということは一定の基準以上の能力を持っているという保証であるため、転職において有利に働く可能性があります。さらに、実際にコンサルタントとして働くとなった際にも、クライアントに対して自身の能力を示す手段にもなります。
では資格の有無がコンサル転職にどれだけ影響するかという点ですが、一概にはいえず、ケースバイケースとなります。例えば戦略コンサルタントであればポテンシャルが最も重視される要素の一つではありますが、MBA等の資格は大いに有効になり得ます。またコンサルティング業界と一口に言っても、その中でも戦略系、業務・IT系、組織・人事系、FAS系等いくつもの領域に分かれており、さらにその中にも様々な職種が存在するため、どのような領域・職種を志望するかによって有効な資格は変わってきます。この記事ではそういった詳細を解説していきます。
また、コンサルタントへの転職を志望している方は、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
▶コンサルタントへの転職完全ガイド|未経験からキャリアチェンジを成功させる対策
MBA(経営学修士号)
MBAとはMaster of Business Administrationの略であり、経営学修士号、または経営管理修士号とよばれる学位の1つです。ビジネススクール(経営大学院)で通常2年間の修士課程を修了することで授与されます。最終学歴も更新されることになります。
MBAでは、経営管理に関する理論を体系的に学習します。単純な座学に留まらず、グループワークや課外学習等様々な手法を組み合わせることで、ビジネスリーダーに必要な知識と実践力の両方を身につけていくことができます。MBAで習得することでコンサルタントに必要な土台をある程度作ることができるため、MBAを持っているとコンサル転職を有利に進められる可能性は十分にあります。
かつては海外でのMBA取得が一般的で、高額な費用がかかるため企業の派遣によってMBAを取得しに行くという流れが主流でした。しかし昨今では国内の大学院でもMBAコースを設けるところが増えたことに加え、リモート化も進んだことで、国内外問わず個人で通ってMBAを取得することも十分可能になりました。海外のMBAコースを選択する利点としてはビジネス英語を学べるということが挙げられます。夜間や週末のみの通学でも修了できるコース等もあるため、働きながらでもMBAを取得できる環境は整っていると言えるでしょう。
士業系の資格
士業とは名称の末尾に「士」の字がつく職業のことです。士業系の資格はその業務分野における専門家であることを担保するものであり、独占業務(その資格を持っていないとできない業務)が割り当てられている資格も多いです。以下ではコンサルタントになるにあたって有効となり得る資格をいくつかご紹介します。
中小企業診断士
中小企業診断士とは中小企業の経営課題に対する診断・助言を行う専門家で、中小企業支援法に基づく国家資格です。資格を取るためには、筆記試験によって基礎知識を問う1次試験と、筆記試験と口述試験によって応用力を問う2次試験に合格し、実務補習・実務従事を受講することが必要です。
中小企業診断士の特徴は、コンサルティング能力に関する国家資格であるということです。もともとは「公的機関による中小企業の経営診断の際の担当者」という意味合いが強かったのですが、法改正のタイミングで「一定以上の能力を持った民間コンサルタント」という意味合いが強くなり、取得することで一定以上のコンサルティング能力を示すことができます。
公認会計士
公認会計士とは監査及び会計の専門家で、公認会計士法に基づく国家資格です。公認会計士の独占業務は企業の財務諸表監査ですが、それ以外にも会計や経理・財務、経営全般に携わる際に有効となり得る資格となります。公認会計士になるには公認会計士試験に合格すること、そして試験合格の前後問わず監査等の業務補助に2年以上従事することが求められます。なお公認会計士試験は合格率約10%の非常に難しい試験である点には注意が必要です。
昨今の公認会計士の活動領域は幅広くなっており、監査法人や会計事務所に所属するほかにも、FASや事業会社の経理・財務部門等に所属する選択肢もあります。また、会計等の知識はコンサルティングにも活かすことができ、コンサルティングファームでも公認会計士を持った人材の需要は非常に高くなっているため、公認会計士資格がコンサル転職に有利になる可能性は十分にあります。
税理士
税理士とは税務の専門家で、税理士法に基づく国家資格です。申告納税制度の理念に沿って独立した公正な立場から納税義務の適正な実現を図ることを使命としています。税理士になるためには、通常1年に1度の税理士試験に合格し、租税又は会計に関する事務に2年以上従事することが必要です。
税理士法人や事業会社の税務担当者になるという道もありますが、税理に関する知識を強みとして企業のコンサルティングを行う人材を目指すというのも有力な選択肢として考えられます。
社会保険労務士
社会保険労務士とは労働保険・社会保険の専門家で、社会保険労務士法に基づく国家資格です。労務管理や労働保険・社会保険に関する書類作成の代行、相談・指導等を行います。「社労士」や「労務士」等と略されることもあります。社会保険労務士になるためには、年に1度の社会保険労務士試験に合格することと、2年以上の実務経験が必要です。あるいは弁護士になる資格を有している方も社会保険労務士になることができます。
社会保険労務士の特徴は、雇用者(労働者)側の立場から企業の状態を診断する能力を持っていることです。経営者の立場から企業を診断する中小企業診断士とは異なる視点で助言を行うことができます。そのため、特に組織・人事系のコンサルティングを目指す際等に有効になり得る資格と言えます。
IT系の資格
昨今のコンサルティングにおいてIT化は欠かせない要素であり、ITスキル人材の需要は非常に大きなものとなっています。以下でご紹介するようなIT系の資格は自身のITスキルを示す指標となるため、コンサルティング業界を目指す際、あるいは実際に働く際にも大きな助けとなり得ます。
一方で、IT業界は実務経験が重視される業界であることにも注意が必要です。資格を有していてもいきなり実践で活かせるとは限らないため、資格の取得のみに捉われ過ぎず、何かしらIT関連のプロジェクトで実績を残すことが重要です。
ITストラテジスト試験
ITストラテジストは、経済産業省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定する国家資格です。IPAの資格の中でも特にIT戦略の専門家であることを認定する資格になっています。
IPAのホームページに記載の対象者像は、「高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステム・IoTを利用したシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者」となっています。
<参考>
▶ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、ITストラテジスト同様にIPAが認定する国家資格です。情報システムの開発・運用側の責任者として、ITストラテジストが作成した戦略を円滑に実行するための指揮・監督を行う人材であることを認定します。
IPAのホームページに記載の対象者像は、「高度IT人材として確立した専門分野をもち、システム開発プロジェクトの目標の達成に向けて、責任をもって、プロジェクト全体計画(プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画)を作成し、必要となる要員や資源を確保し、予算、スケジュール、品質などの計画に基づいてプロジェクトを実行・管理する者」となっています。
<参考>
▶プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
ITサービスマネージャ試験
ITサービスマネージャは、上記2つの資格と同様にIPAが認定する国家資格です。ITシステムの運用管理責任者としての能力を認定する資格となっています。サービスの安定提供のためにリスク管理やコスト管理を行う能力が問われるため、システムに関する知識とビジネスに関する知識の両方が求められます。
IPAのホームページに記載の対象者像は、「高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの要求事項を満たし、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する者」となっています。
英語の検定試験
外資系のコンサルティングファームでは一定の水準以上の英語力が求められる場合があります。海外本社とのやり取りは当然英語で行われるほか、普段のミーティングややり取りでも英語が使われる場面は多々あるためです。必ずしもネイティブレベルで話せる必要はありませんが、英語が全くできない人はそれだけで選択肢を狭められてしまう可能性もあるため、ある程度の英語力は身につけておく必要があります。なおコンサルティングファームにおいては読み書きよりも英会話力・英語によるコミュニケーション力の方が重視される傾向があります。そのため、流暢でなくとも相手と不自由なく英語でコミュニケーションを取れる力はあった方が良いと言えるでしょう。
では選考において英語力はどのように図られるのかと言うと、英語検定の成績と、場合によっては英語による面接での受け答えです。英語による面接については外資系コンサルティングファームの中でも実施するところと実施しないところがあります。つまり、英語での面接が実施されないファームについては英語検定の成績のみで英語力が判断されるということになります。このことからも、英語検定の成績が選考においていかに重要かということがわかります。
TOEIC
TOEICとは、Test of English for International Communication(国際コミュニケーション英語能力テスト)の略称で、ビジネスシーンにおける日常会話の英語力を判定する試験になります。アメリカのETS(Educational Testing Service)が主催しています。なお試験には以下の5種類があり、それぞれ独立した試験となっています。
・Listening & Reading Test (TOEIC L&R):990点満点
・Speaking & Writing Tests (TOEIC S&W):200点満点
・Speaking Test:200点満点
・Bridge Listening & Reading Tests(初級者・中級者向け):100点満点
・Bridge Speaking & Writing Tests (初級者・中級者向け): 100点満点
一般的に選考等で問われるTOEICの成績とは「Listening & Reading Test (TOEIC L&R)」の成績のことで、こちらの試験は990点満点、マークシート方式の試験となります。目標点数ですが、TOEICのガイドラインで「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」とされる730点以上、あるいは一般にビジネスレベルとされる800~850点以上等が一つの目安となります。
TOEFL
TOEFLはTest of English as a Foreign Languageの略で、非英語圏から英語圏に留学・研究を希望する人を主な対象として英語力を測定する試験になります。こちらもTOEIC同様にETSが主催しています。TOEICがビジネス英語の能力を判定する意味合いが強いのに対し、TOEFLはアカデミックな英語の能力を判定する意味合いが強い試験となります。
なおTOEFLの試験は120点満点であり、Reading、Listening、Speaking、Writingの4項目からなります。TOEICが完全なマークシート型の試験であるのに対し、TOEFLはマイクに向かって口頭で回答する問題があること、文章を打ち込んで回答するなどの自由形式で回答する問題があることが大きな特徴です。
目標点数ですが、ほとんどの大学の語学基準をクリアできる点数である80点以上が一つの目安となります。
コンサルタントが資格を取る時の注意点
資格を取るにあたっての注意点は、自身が目指す仕事と取得する資格の整合性が取れているかどうかということです。仮に難易度の高い資格を有していても、志望するコンサルティングファームの業務内容とずれているとほとんど意味を成しません。自分が目指す領域・職種をはっきりとさせたうえで、そこにあった資格を取ることが重要となります。
また、やみくもに資格をかき集めるのもかえって良くないことがあります。資格を有するということは、何かしらの業務の専門性を示すということです。取得難易度の比較的優しい資格をたくさん集めても、何がやりたいのかはっきりとせず専門性をアピールすることに繋げられません。そのため、資格の数を増やすことよりも、専門性を十分に示せる資格を1つ持つことを意識できると良いでしょう。
最後に改めてお伝えしておくと、コンサルタントに資格は必須ではありません。資格はあくまで能力を示す1つの指標であり、コンサルタントにとって最も大事なのは実際に業務をこなせるかどうかです。そのため選考においてもポテンシャルや業務経験が特に重視されるポイントとなります。コンサルタントへの転職を目指す方は、その点にご留意いただければと思います。
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