ロジックツリーの作り方とは!?メリットや具体例についても徹底解説!!
Post Date:
2023-07-13 / Update-date:
2024-06-29 /
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選考対策特集
本記事では、ロジックツリーとはどういったものか、また具体的な使い方まで掘り下げてご紹介していきます。
1. ロジックツリーとは
ロジックツリーとは、樹木が幹から枝分かれしていくように、ある物事や問題を要素ごとに分解して考えていくフレームワークの1種です(例:図1)。
※フレームワークとは、問題解決の際に役立つ思考の枠組み、型のことです。ロジカルシンキングに役立ちます。
様々な要素からなる事象も、切り口を設定して分解していくことで具体的にイメージ可能な要素の集まりとして考えられるようになります。
図 1 人口全体を分解した簡単なロジックツリー例
ただ要素を展開していくだけでは、ただのマインドマップと変わりありません。そこでロジックツリーを作るうえで重要な点として、
1. 分解する際にMECEであること
2. 分解する切り口を正しく設定すること
が挙げられます。
※MECE:Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略。直訳すると、「互いに排他的で、集合的に完全な」。つまり“漏れなくダブりなく”という意味です。
▶MECE(ミーシー)とは?ーロジカルシンキングのフレームワーク
1つ目は、言い換えれば「分解する過程で全体量が変化しない」ということです。
例えば図1の例でいえば、基本的には
「人口全体」
=「男性」+「女性」
=「成年の男性」+「未成年の男性」+「成年の女性」+「未成年の女性」
が成り立つことがわかるでしょう。つまりこれはMECEに分解できていると言えます。
2つ目は「ロジックツリーを意味のある切り口で分解する」ということです。
図1の例では、
・性別
・成年/未成年
という軸で分解しました。これは例えばSNSの利用分布を調べる際などには有効かもしれませんが、アルコール飲料の売上げとなると適切とは言えません(未成年はお酒を買えないため)。このように、何についてロジックツリーを作るのかによって切り口も正しく設定していく必要があるのです。
以下では、実際にロジックツリーを使うにあたって押さえるべきポイントを順に説明していきます。
2. ロジックツリーの種類
ロジックツリーには以下の3種類が存在します。
・What:要素分解ツリー
・Why:原因追及ツリー
・How:問題解決ツリー
2.1. Whatツリー(要素分解)
ある物事を、その構成要素で分解して作るロジックツリーです。そのままではわかりづらいものを、具体的な要素の集合として捉えることができます。それぞれの要素について検討したり、複数の要素を比較したりすることができます。
会社の売上や経費などを要素ごとに可視化することで、どこに問題が発生しているのかを見つけるツールにもなります。
図 2 会社の売上を分類したロジックツリーの例
2.2. Whyツリー(原因追及)
問題の原因を具体的にしていくロジックツリーです。問題の原因がすぐ思い浮かぶとしても、それが本当に根本原因なのか、ほかにも原因はないのかというのは検討する必要があります。そこでWhyツリーを用いて、想定しうるあらゆる原因を書き出すことで、直面している問題のケースではどの原因に該当するのか照らし合わせることができます。
図 3 「利益が少ない」という問題に対するWhyツリーの例
2.3. Howツリー(問題解決)
Whyツリーが原因にフォーカスしてツリーを作るのに対して、Howツリーでは解決方法にフォーカスしてツリーを作ります。木の幹となるのは「~したい」という達成目標であり、その目標を達成するために取り得る方法をMECEに書き出していきます。
Whyツリーを作ってあるならば、図3と図4のようにWhyツリーに対応させてHowツリーを作ることも可能です。
図 4 「利益を増やす」という目標に対するHowツリーの例
3. ロジックツリーを使うメリット
ロジックツリーの特徴は
・MECEであること
・各要素について深堀りできていること
です。これらの特徴から以下のようなメリットが挙げられます。
①全体像を把握しやすく、的外れな議論を防げる
ロジックツリーはMECEに書き出した要素の集合であるため、正しく作れていれば全体像が一目でわかりますし見落としも防げます。例えば、せっかく時間をかけて課題解決方法を議論したにもかかわらず大きな見落としがあって議論が白紙になってしまった、といった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。こうした失敗も、あらかじめ議題に関するロジックツリーを作って全体を想定しておくことで未然に防ぐことができます。
➁全体像を共有しやすい
可視化できるということは、共有も容易ということです。今取り組んでいる仕事が何をゴールとしていて何の役割を果たしているのか、ロジックツリーを作ることによって一目で共有できます。チームメンバー全員が戦略の全体像を把握していることで、互いの連携がとりやすくなります。
③より良い選択肢に気が付きやすい
課題解決に有効そうな解決策を直接考える方法と異なり、ロジックツリーは想定できる要素を全て書き出します。したがって、Whyツリーであれば見落としていた原因が見つかったり、WhatツリーやHowツリーであれば想定していなかった選択肢に気付くことができたりします。
ロジックツリーを作らずに解決策を考えてしまうと、ありがちな選択肢ばかりになってしまって、他にもっと良い選択肢があってもそれを見逃してしまうリスクがあります。
④実行範囲や優先度を決めやすい
問題の原因となる要素、あるいはその解決方法というのは複数存在することがほとんどです。ロジックツリーは具体的に分解した要素の集まりですから、Whyツリーであればどの原因がどれくらい問題に影響しているか、WhatツリーやHowツリーであればどの解決方法が最も優先度が高いか、あるいはどれくらいの範囲まで実行に移すか、とった比較検討が容易です。
こうしたメリットは、ロジックツリーがMECEであることで初めて成立するものです。したがって、やみくもにツリーの形に作ればよい、というものでもありません。
そこで次章では、ロジックツリーを正しく作る方法についてご説明していきます。
4. ロジックツリーの作り方の基本とコツ
ロジックツリーを作る手順は
①ツリーの幹になるテーマを決める
➁要素を分解する切り口を決め、MECEに要素を書き出す
③要素が具体的な行動に繋がるところまで分解を続ける
という流れになります。まずは手を動かして色々なものでロジックツリーを作って慣れてみるのが良いでしょう。慣れてきたら、次のことも意識できるとなお良いです。
「①ツリーの幹になるテーマを決める」ポイント
まずはテーマ決めです。ここで重要なポイントは2点で、
・ロジックツリーのメリットが活きそうかどうか考えてみる
・目的に応じてWhat/Why/Howツリーのどれ選択するか決める
です。つまり、ただやみくもに作るよりもある程度目的を意識してロジックツリーを作り始めるということです。
「➁要素を分解する切り口を決め、MECEに要素を書き出す」ポイント
いざロジックツリーを作ってみようと思っても、分解する切り口をどうするかは難しい問題です。これが正解というものはありませんが、以下の点に注意すると良いでしょう。
・仮説に基づいて考える(MECEにとらわれすぎない)
・いきなり細かな切り口で分解しない
「仮説に基づいて」というのは、結果に大きく影響しそうな因子で分解するということです。例えば、自社の業績が振るわない原因を考えるWhyツリーを作るときに、新規事業展開した翌年から業績が落ち込んだのであれば、新規事業のどこかに問題があると仮説を立てて、既存事業/新規事業で分解してツリーを広げていく、と言った具合です。本当は経済不況の結果で一時的に落ち込んでいるだけかもしれませんが、このように仮説を立てて分解することが重要です。
この際、どうしてもMECEに分解できない切り口が必要となることがありますが、ある程度問題なさそうであれば、100%MECEであることにこだわらず、意味のある切り口を設定することも大事です。このとき、まとめにくいものを「???」と仮置きして先に進めてしまうのも手でしょう。
また、ロジックツリーは段階的に分解していく手法であるため、いきなり具体化して大量の分岐を作ってしまっては全体像が見えずメリットが損なわれます。徐々に具体化していくことを意識して作ると良いかと思います。
「③要素が具体的な行動に繋がるところまで分解を続ける」ポイント
要素が具体的な行動に結びつくまで分解できたらロジックツリーは完成となります。そこから実際に検証するには、各要素についてデータを集めるといった工程が必要になります。
※アプリケーションの利用
手書きでロジックツリーを作ってみるのももちろん良いですが、使いやすいアプリケーションも多く存在しているため、調べて活用してみるのも良いかと思います。
5. ロジックツリーの具体例
以下の図は「飲食チェーンにおける利益向上のHowツリー」の一例です。
図 5 飲食チェーンにおける「利益を増やしたい」という目標のHowツリー例
6. まとめ
ロジックツリーについてご説明してきました。ロジックツリーはフレームワークの1種ですから、読んで理解するだけでなく使えるようになることが重要です。はじめからきちんとしたものを作るのは難しいため、まずは色々なもので試してみて、その中で徐々に使い方を理解していくのが良いのではないでしょうか。
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