【徹底解説】監査法人に転職するには?転職メリット・デメリットや未経験からなる方法を紹介
Post Date:
2023-08-02 / Update-date:
2023-08-02 /
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キャリア・働き方特集 選考対策特集
ここでは監査法人への転職についてご説明させていただきます。
- 監査法人の仕事内容
- 監査法人の採用動向・転職事情
- 監査法人に転職するメリット
- 監査法人に転職するデメリット
- 年代ごとに見る監査法人転職に求められるスキル・経験
- 監査法人に転職する方法
- 監査法人の平均年収
- まとめ
- 関連記事一覧
監査法人の仕事内容
監査法人の仕事内容は「監査業務」とそれ以外の「非監査業務」に分けられます。
「監査業務」とは、上場企業や大手企業などのクライアントの財務諸表が適正に書かれているのかをチェックし、違法性の有無や内容に誤りがないかを確認します。「監査業務」は監査法人にとって最重要業務であり、監査を受ける企業との利害関係がない監査法人でなければ請け負うことはできません。監査業務には会計監査だけでなく、システム監査などもあります。
「非監査業務」とは、株式上場に関する支援を行うIPO支援やクライアント企業に対して財務や会計に関するアドバイスを行う財務コンサルティングなどがあります。そのほかにコーポレートガバナンスや内部統制の構築などの業務も存在します。財務や経理を得意とする公認会計士は第三者目線から適切なアドバイスが可能です。監査法人のクライアント企業が抱えている課題を解決していく業務のことをアドバイザリー業務と呼びます。
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監査法人の採用動向・転職事情
最近では、監査法人は積極的に採用活動を行っています。その背景としては、公認会計士の人員不足が原因として挙げられます。レビュー業務やIPO件数の増加、内部統制を拡充したいというクライアント企業から依頼が増えてきています。
監査法人の採用には定期採用と不定期採用があります。
定期採用とは、主に公認会計士の論文試験合格者を一気に採用するものです。多くの監査法人が公認会計士試験の合格発表のタイミングに合わせて説明会や選考会を実施し、多くの公認会計士を採用します。定期採用で入った公認会計士は1月から3月頃に入社するケースが多いです。
不定期採用とは、「BIG4」などの大手監査法人が常時行っているものです。公認会計士だけでなく、会計士補助者やコンサルティング経験が豊富な専門性を持った人材を募集しています。不定期採用になるので、入社時期などは人によってバラバラです。
監査法人に転職するメリット
監査法人に転職するメリットは、公認会計士としてのキャリアを積める点です。公認会計士試験に合格して公認会計士としてのキャリアをスタートさせる場所としては非常に良いでしょう。監査法人で取引するクライアントは大手企業の経営層や内部監査部です。社会人経験が豊富でスキルの高い取引相手と仕事をすることで、自身の社会人スキルを磨くことも可能です。また監査法人は男性だけでなく、多くの女性が活躍しています。女性の場合は、職場内で同性の仕事仲間ができますし、モチベーションの高い女性会計士にとっては、充分なキャリアを積める場所だと言えるでしょう。バリバリ仕事を頑張りたい人にとっても理想的な環境です。
BIG4へ転職するメリット
BIG4へ転職するメリットは3つあります。1つ目は関わることができる案件が豊富なことです。クライアントが世界的に知名度の高い企業であることも多く、案件の規模も大きいものに関われるチャンスがあります。2つ目は報酬が高いことです。大きな案件に携わる機会も多く、準大手や中小監査法人に比べて報酬が高いケースが多いです。3つ目はキャリアパスが広がることです。BIG4監査法人に所属していたというキャリアは採用活動において有利に働くことが多く、その後のキャリアパスが広がります。
準大手・中小規模の監査法人へ転職するメリット
準大手・中小規模の監査法人へ転職するメリットは3つあります。1つ目はワークライフバランスが取りやすいことです。準大手・中小規模の監査法人はBIG4に比べると案件数や規模も穏やかになるため、比較すると激務度は低いといえるでしょう。2つ目はキャリアアップが早いことです。少人数だと能力次第で出世するスピードも早く、早いスピードで管理職までキャリアアップできます。3つ目は早い段階で豊富な経験が積めることです。少人数でやっていることもあり、業務範囲が広く、監査業務だけでなくアドバイザリー業務の経験を積むことができます。
監査法人に転職するデメリット
監査法人に転職するデメリットは、公認会計士の数が多く、競争が激しいことです。難関である公認会計士試験に合格した人材が集まるので、その中で競争に勝つのは非常に難易度が高いです。一般的な企業であれば公認会計士の資格を持っていることは希少価値が高く、良い評価に繋がりやすいですが、監査法人では公認会計士資格を持っているのは当たり前です。高いポジションに登り詰めるためには多くの努力が必要で、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルを高めて、多くの人材の中で飛び抜けた実績を残すことが求められるでしょう。また監査法人では会計監査は基本的な業務になるので、非監査業務である財務コンサルティングやIPO支援などに関わる機会は少ない可能性があります。
BIG4へ転職するデメリット
BIG4へ転職するデメリットは3つあります。1つ目は担当する業務範囲が限られることです。BIG4はチームで業務を進めていくので、担当する業務が限られており、一度に幅広い経験を積むことができません。2つ目は出世の競争が激しいことです。所属している公認会計士が多いため、同期と比較されることも多いです。高いポジションにキャリアアップするためには大きな実績を作ることが求められます。3つ目は労働時間が長くなる傾向が強いことです。繁忙期はハードワークになることも多く、睡眠時間を削って仕事をしなければならない場面もあると考えた方が良いでしょう。
準大手・中小規模の監査法人へ転職するデメリット
準大手・中小規模の監査法人へ転職するデメリットは2つあります。1つ目は雑務が多いことです。1つのクライアントの依頼を一人で引き受けることが多いため、雑務も含めて自分一人で対応する必要があります。細かい事務作業なども発生するので、その点はデメリットになるかもしれません。2つ目は報酬が低いことです。大規模な企業の案件を抱えているBIG4監査法人と比較すると報酬は低い傾向があります。
年代ごとに見る監査法人転職に求められるスキル・経験
監査法人から求められるスキルや経験は20代、30代、40代それぞれで大きく異なります。ここでは各年代で求められるスキルや経験を紹介します。
20代に求められるスキル・経験
20代で公認会計士資格を取得し、監査法人に転職する場合は特筆すべき求められるスキルや経験はありません。公認会計士の資格を持っていれば十分といえます。最近の公認会計士試験の合格者の平均年齢は25歳から26歳となっています。監査法人に入るための面接で大きな失敗をしない限り、監査法人に入社することはできるでしょう。20代のうちに英語力を高めておくと、グローバル企業の案件にも携われるようになるため、その後のキャリアで活かせる可能性が高いです。収入アップなどを目指す人は、若いうちにTOEICの勉強をしておくなど、英語力を身につけておきましょう。
30代に求められるスキル・経験
30代前半であれば、新たに公認会計士資格を取得して監査法人に転職することは可能です。その一方で、30代後半になると、そこから公認会計士資格を取得して大手監査法人へ転職するのは少しずつ難しくなってくる可能性が高いでしょう。公認会計士として何かしらの専門性を持っていたり、前職で活かせる経験があったりする場合は大手監査法人への転職もできるかもしれません。しかし監査法人も将来を見越して伸びしろのある若い人材を採用したいと考えているため、採用するのは自然と20代から30代前半の人になるケースが多いです。公認会計士として経験がない場合は、準大手または中小監査法人をメインに転職先を探すことをオススメします。
40代に求められるスキル・経験
40代で公認会計士資格を取得した場合、BIG4監査法人や大手監査法人への転職は難しいと考えた方がいいでしょう。そのため、中小監査法人への転職を検討してみてください。その際には前職での経験や会計・財務の知識、英語力などをアピールできると良いかもしれません。40代は実務経験だけでなく、マネジメントスキルを求められるケースが多いため、公認会計士としてのキャリアがなくても中小監査法人の場合は採用される可能性も高いです。また大手監査法人から中小監査法人への転職は十分に可能性があります。その際には今までの会計士としての経験やスキルが求められるので、財務コンサルティングやIPO支援の経験などをアピールできると良いでしょう。40代での転職の場合、管理職ポジションへの転職というケースも多いため、プロジェクトのマネジメント経験やコミュニケーションスキルを求められるケースもあります。
監査法人に転職する方法
監査法人に転職する方法はどのようなものがあるのでしょうか。以下で詳しく紹介します。
公認会計士資格を取得する
監査法人におけるメインの業務である法定監査業務は、公認会計士法に基づいた独占業務となっています。その業務の関係上、公認会計士の有資格者が優先的に採用されます。そのため、無資格での転職は難しいと言えるでしょう。逆に言えば、公認会計士試験に合格することができれば、未経験であっても監査法人に転職できる可能性はあります。
一方で、アドバイザリー部門などの非監査業務部門のある法人も存在するため、そのような部署であれば無資格でも採用される可能性があります。しかし、高い専門性と実務経験を求められるので注意しましょう。事業会社での財務経験者や、金融機関出身などが対象になってきます。場合によっては採用後に公認会計士資格の取得を求められるケースもありますので、事前に確認するのが良いでしょう。
また、USCPA(米国公認会計士)の合格者も監査法人への転職には有利になりますが、公認会計士の独占業務である監査をメインに行っている監査法人では担当できる業務の数が少なく、やはり公認会計士の資格に比べると評価は劣ります。
監査業務が未経験の場合でも転職はできる
監査業務が未経験であっても、公認会計士資格を所有していれば採用のターゲットになります。特に20代や30代前半であれば、未経験でも監査法人への転職は十分可能でしょう。30代後半や40代になってくると監査法人への転職のハードルは高くなります。しかし、金融機関での営業経験やコンサルティング経験、企業における経理業務の経験など監査業務と親和性の高い経験を有している場合は、監査法人への転職可能性は高まると言えるでしょう。
未経験者の採用は入社後に育成することが必要になるので、コミュニケーションスキルや自己管理能力などのビジネススキルを見込んで、ポテンシャルで判断して採用するケースも多いです。
監査法人の採用状況を把握しておく
最大手の監査法人(PwCあらた有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、EY新日本有限責任監査法人、有限責任あずさ監査法人)はBIG4と呼ばれており、事務所に所属する公認会計士の職員数は数百人規模と非常に多いのが特徴です。大手監査法人は「上場企業の担当100社以上・常勤監査実施者1000名以上」と定義されており、BIG4はそれに合致する大手監査法人です。BIG4のクライアントは国内最大手の企業や世界的な外資系企業も多く、クライアントからの報酬は高額になる傾向があります。その分、業務で求められる専門性も高く、非常に難易度が高いと言われています。採用活動は常時行っており、募集しているポストも多岐にわたります。
準大手・中小規模の監査法人のクライアントは大手監査法人とは異なり、小規模な企業の監査業務を担当する場合が多いです。中には大手上場企業の監査もありますが、非上場企業の任意監査などの割合も多くなります。BIG4のような大手監査法人と違って採用活動を常時実施していません。退職や転職してしまった公認会計士の欠員補充として採用をするケースが多いです。
監査法人の規模によって採用状況も異なりますので、よくリサーチしてから監査法人への転職を検討しましょう。
監査法人の平均年収
もちろん年収については監査法人毎に違いがありますが、ここでは公認会計士資格を持ってBIG4に勤めた場合のおおよその金額を記載します。
スタッフの場合
スタッフ職は監査経験の無い人がまず経験を積むためのポジションとなります。おおよそ監査経験~4年程度の場合が多くなっています。
年収帯としては500万円~750万円程度となります。
シニアの場合
シニア職は監査の実務経験をある程度積み、現場での責任者の役割を担うポジションとなります。監査経験が4年~10年程度の場合が多くなっています。
年収帯としては700万円~900万円程度となります。
マネージャーの場合
マネージャー職は大企業の監査での責任者のポジションを担当したり、あるいはシニアの管理者として、案件をコントロールする役割を担うポジションとなります。監査経験は短くても8年程度必要といわれています。
年収帯としては800万円~1,200万円程度となります。
更に上のパートナーのポジションに上ると更に上の年収帯を目指せますが、当然相応の実力が求められる事となります。
まとめ
監査法人に転職するメリット・デメリットや監査法人に転職する方法について詳しくご紹介していきました。公認会計士は、弁護士や医師と並んで三大国家資格と言われています。若いうちに公認会計士資格を取得すれば監査法人への転職は十分に可能です。監査法人は大手監査法人と準大手・中小規模の監査法人に分けられますが、規模によっても特徴が大きく異なります。事前にしっかりとリサーチしてから転職を検討すると良いでしょう。
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