保険会社からコンサルへ転職するには?仕事内容や必要なスキルを解説
Post Date:
2016-09-08 / Update-date:
2023-07-31 /
Category:
金融コンサル特集
近年、保険会社からコンサルティングファームへの依頼が増加傾向にあり、それに伴って保険会社出身の方がコンサルティングファームにて活躍される事例も非常に多く聞くようになりました。
ヘッドハンターという仕事柄、様々なコンサルティングファームのパートナークラスや人事から採用に関するリクワイアメントを貰うのですが、保険会社関連の知見を持った方は引く手あまたの状態といっても過言ではありません。
本コラムでは、そもそもなぜ保険会社からコンサルティングファームへの依頼が多くなっているのか、その背景を紐解いた上で、保険会社出身の方がコンサルティングファームでどのようなキャリアを築いていくのかを、実例を交えながらご説明ができたらと思います。
保険ユニットのコンサルティングファームの仕事内容
営業を強化するための支援
具体的には
- 新営業職員モデル策定(チャネルミックス型募集モデル、募集成績データマイニング)
- 契約管理/保全プロセス最適化
- 保険金支払に関するクレーム処理高度化
などが挙げられます。
IT企画
保険会社を取り巻く環境は日々、変化を続けています。ITの活用で遅れを取らないようにコンサルティングファームへ戦略立案の依頼を行っています。具体的には
- モバイル/WEB戦略(募集支援端末イノベーション)
- 会計システム導入(グローバル経営管理システム導入)
などが挙げられます。
事務関連業務の効率化を図るための変革支援
業務の効率化を行うためにはナレッジやノウハウの適用が非常に有効なためコンサルティングファームに依頼を行うケースがあります。具体的には
- 決算プロセスの最適化
- 間接費削減(購買集約化、調達コスト削減)
など変革支援の案件が多くなっています。
経営やリスクの管理・規制対応
経営管理やリスクの管理を効率的に行うためにコンサルティングファームへと依頼を行うケースが多くなっています。具体的には
- 統合リスク管理(統合リスク管理体制成熟度評価、オペレーショナルリスク計量化)
- 契約管理/保全プロセス効率化
などが挙げられます。
事業の戦略策定
具体的には
- 経営戦略の策定/中期経営計画策定
- グローバル戦略の策定
などが挙げられます。グローバルにネットワークを持つコンサルティングファームであれば海外展開への戦略においてのナレッジやノウハウを数多く保有していることから自社で試行錯誤するよりも依頼する方が良いことが背景とあります。
保険会社からコンサルへ転職する際に求められるスキル
ここでは、保険会社から転職してコンサルを目指すうえで、どのようなスキルや経験が求められ、評価されるのかということを紹介していきます。
コミュニケーションスキル
コンサルタントとして活躍するには高いコミュニケーション能力が必要です。コンサルタントは自身の提案をクライアントに納得してもらうことが仕事であるため、相手にわかりやすく伝えるスキルは必須であり、自分が伝えようとしている内容を言語化できることが重要です。伝えやすくするには、初めに結論を述べるなどの話し方にもコツがあります。また、伝えるだけでなくクライアントから聞き出したい情報について適切に聞き出すためのヒアリング能力も重要になります。クライアントとの関係性という観点からは、相手が気持ちよく仕事を進められるように意識してコミュニケーションを取ることができることも重要でしょう。
ロジカルシンキング
コンサルタントにとってロジカルシンキングはすべての基本となるスキルといえ、非常に重要なスキルです。ロジカルシンキングとは、言い換えれば複雑な問題をより単純な要素に分解・分析して考える能力であり、プロジェクトワークを進めるにあたり、課題の特定、情報収集、問題解決案の策定などすべてにおいて必要なスキルとなっています。未知の課題に対して解決策を模索していく仕事であるコンサルティングにおいて、ロジカルシンキングに基づいて、0ベースで仮説を積み上げていく能力は必須であるということです。習得方法としては、ロジカルシンキングをベースにおいた様々な思考法などがあるので、まずそれらを学習し、身につけるにしましょう。
保険業界で得た知識と経験
コンサル業界においてコンサルタントとして働くうえで、各業界での専門性は十分に評価されます。保険会社にて勤務していた経験は、保険業界に対するコンサルタントになるために必須といっても良いでしょう。専門性を要する特殊な手続きやクライアントへの対応において必要とされたり、保険業界での経験を活かした専門性の高いアドバイスの観点から必要とされたりすることは十分に考えられるため、保険業界で得た知識と経験はコンサルにおいても十分優位に働くスキルとなるといえるでしょう。
保険会社からコンサルへの転職事例
ここでは、実際に保険会社からコンサルティングファームに転職した事例を三例紹介したいと思います。保険会社からコンサルへの転職をお考えの方はご自身の状況と照らし合わせながら参考にしていただければ幸いです。
事例1:
Before 生命保険会社
After デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 金融機関向けアドバイザリー
前職では部門横断的なプロジェクトに複数ジョインし、デジタルツールの活用推進やRPA導入などを通常業務と並走する形で行なっていました。ただし、リソース不足により妥協することが多く、それを悔しいと感じ、プロジェクト案件によりコミットした業務を行いたいと考え、転職を志し、保険会社からコンサルへの転職に成功しました。
(参考:生命保険会社よりデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社の金融機関向けアドバイザリーへ)
事例2:
Before 三井住友海上火災保険株式会社 営業職
After 監査法人系コンサルティングファーム コンサルタント
前職の会社と保険業界全体の将来性への懸念と、ご自身の成長の観点から新しい環境でのチャレンジをすることを決断しました。前職を活かして顧客の課題解決のできるコンサルティング業界を志し、業界で自らのスキルを磨くことができることもメリットとして捉え、転職活動を行い、保険会社からコンサルへの転職に成功しました。
(参考:金融業界知見を活かし外資ファーム金融コンサルへの転職)
事例3:
Before アメリカンファミリー生命保険
After 日系総合コンサルティングファーム 金融コンサルタント
生命保険会社で新契約の事務を行っていましたが、望むような仕事でなかったこと、中長期的なプロジェクトでマネージメント力を身に着けたいと思っていたことから転職を志しました。それに加え、業務効率化の経験を踏まえて、コンサルティングファームでの仕事をしたいと志し、転職活動を行い、保険会社からコンサルへの転職に成功しました。
(参考:成果主義の環境を求め、コンサル業界へキャリアチェンジ)
まとめ
近年の保険会社からコンサルティングファームへの転職事例の増加も踏まえ、今回は、その理由を始め、保険会社からコンサルへの転職について紹介しました。実際にコンサルに転職した場合にどのような業務内容やキャリアプランが考えられるのかを説明し、転職するうえで求められるスキルや転職事例を紹介したので、保険会社からコンサルへの転職についての理解の助けや、実際に転職を志す際の参考にしてみてください。
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