ベイカレント・コンサルティング(シニアマネージャー 林様)
Post Date:
2019-11-22 /
Category:
IT・デジタル, 日系, 独立系,
本日は、株式会社ベイカレント・コンサルティング(以下、ベイカレント)、シニアマネージャーの林 伸也様にインタビューの機会を頂戴し、ベイカレントへの入社の経緯、組織の特徴、プロジェクト内容、求める人材像についてお話頂きました。
ご経歴について
EL
はじめにご経歴について教えてください。
林様
私は新卒でNTTデータに入社し、交通・流通や新聞社、広告代理店などのクライアントを担当する部署へ配属されました。配属は希望通りだったので満足していましたが、一通り業務の経験ができた30歳を機にキャリアの棚卸しをしようと思いました。これまでの経験を踏まえ、今後のキャリアを考えた時に、より上流の領域にチャレンジしたい、その方が面白そうだと思ったことがきっかけで転職しました。ベイカレントに入社してからは約5年経っています。
EL
では、30歳前後でベイカレントに転職されたということですね。
林様
そうですね。きっかけは、前職時代の先輩が、NTTデータに転職して来られ、また転職して外の世界に出て行ったのを見ておりまして、その方に非常に刺激を受けたことでした。外から見ていたNTTデータに感じていたこと、中に入ってから感じたこと、また外に出ようと思った理由を伺ったことが、私が転職するときの一つの動機になっていますね。
EL
転職活動の際に、ベイカレントを最終的に選ばれた決め手はどんなところですか。
林様
まずはSEからの転職であったので、一気にキャリアチェンジして戦略中心のコンサルファームとなると、今までの経歴から私の力の出せるところがあまりないと感じ、難しいのではと思いました。そのため戦略からITまで出来る総合ファームの方がより段階的にキャリアを積んでいけると考えました。
また、私が非常に大切だなと思ったのは会社の雰囲気や文化の面です。私自身がその会社に合うかは、面接官との対話でしか分かりません。取締役の関口と最終面接をしたときに、彼が言った「我々は、周りがどう言おうが、クライアントに価値提供をし続けることを一番大切に思っていて、実際に実行に移しています。」という言葉が印象的でした。クライアントが満足し良い方向に向かえるようなことを私たちはやるのだと直接聞けたのが、決め手として大きかったですね。また、当時私がいた会社と比べると小さい会社ですが、これからまだまだチャンスがあるのではとも思っていました。
EL
当時会社の規模は何名くらいだったのですか。
林様
1000弱の規模感でした。これから会社としてもより成長いこうという意気込みを感じました。私もそういったところで、一緒に成長できればなと思って入社しました。
EL
老舗の大きなベンダーであるNTTデータから見て、規模が小さな会社に移る際に不安はありましたか。
林様
大きな会社に入ってしまうとつい保守的になってしまいがちだと思うのですが、私は新しいことを経験してみたいという思いの方が強かったので、不安はあまりなかったです。新天地でダメならまた戻ればいいかなと思っていました。それをNTTデータが受け入れてくれるかどうかはわからないですけど、NTTデータがダメでも似たようなとこに入れば良いかなくらいの気持ちで、固執せずに考えていたので不安はなかったです。
EL
不安が無かったとはいえSEからコンサルに立場を移すと業務の内容や働き方など、違ってくるところも多いと思いますが、苦労されたエピソードはありますか。
林様
SEの場合はテーマ、予算の目安など何かしらの枠がありました。企画がある程度決まっている上で、スケジュールを決めてその通りに進めるというような形で、上流といってもやはり限界がありました。一方でコンサルの場合だと何もないところから考えなくてはいけなくて、入社直後はその考え方の違いに非常に苦労して思考停止に陥ってしまったこともしばしばありました。どこから考えればよいか分からなかったときは先輩や周りの方々がリードしてくれて、今も苦労してはいますが少しずつ、学んでいる最中です。あとはドキュメント作成についてSEの当時は、中身が伝わればよいと考えていた部分もあるのですが、今はきれいにわかりやすく、簡潔にまとめる必要があります。洗練されたワードを使って、相手にうまく伝わるドキュメントを作らなければいけない点は今も苦労していますし、違いの一つかなと思っています。働き方は時代の流れもあり、ベイカレントでも働き方を工夫しており、マネージャー陣はメンバーの残業時間が所定の時間を超えないようコントロールしています。
EL
私自身もエンジニアからコンサルに移った経験があり、ゼロから考えなければいけないというところは非常に苦労したところでした。今も苦労されているのかもしれないですが、そういった点の克服の仕方やエピソードを伺ってもよいですか。
林様
やはり何か一例でも良いので、先輩なり周りのメンバーが実際にやり方を見せてくれると、自分で理解して覚え、次に生かすことができます。もう一度同じ状況になった時に、自分が一回でも経験したことであればそれをヒントに派生、適用させてみる。不正解でもやってみることが大切だと思います。それをまた誰かに見せた時に頂いた指摘を吸収していきながら、乗り越えて克服したという形です。
組織について
EL
プロジェクトを進めていく中で、例えば特定の業界や業種、テーマで分からないことがあったときに、社内の有識者に聞けるような仕組みはありますか。
林様
本社の機能で品質管理部というのがあり、そこにナレッジを蓄積されています。品質管理部が社内で稼働しているプロジェクトの一覧を見て、各PMに定期的な棚卸を依頼し、プロジェクトの内容や成果等をヒアリングしています。それをナレッジとして蓄積し、システムで閲覧できるような仕組みになっています。それ以外にも例えばBCPについて整理をしたいとクライアントから要望があった際に、社内でBCP関連の案件にはどういったものがあるのか問い合わせを行うと、単にプロジェクトの情報だけでなく、そのとき担当したプロジェクトメンバーの紹介まで行ってくれます。、こうしたことから、非常に上手く機能していると思います。
EL
貴社のコンサルティングの内容、特徴を幾つかお伺いできますでしょうか。
林様
ベイカレントは総合ファームなので、戦略からIT、実行までの全フェーズを担うことができます。様々な業界のクライアントを抱えていますし、戦略からITまでを部門で切られていないワンプール制で行うのが大きな特徴です。異なる業界でも同じような課題を抱えているクライアントがいらっしゃるので、そういった経験を有した人間が業界をまたいでアサインされます。実際、類似の課題を経験した人間であれば、クライアントの業界には詳しくなくとも、力を発揮できるのではないでしょうか。またチーム編成として業界に詳しい人間、特定の課題に詳しい人間、ITに詳しい人間といった形で複数領域の人材をアサインすることができるのもベイカレントの強みだと思います。
上記の理由から、候補者から見ると、やりたいことをやれる社風があると思いますし、ここは私も良い部分だと思っています。もちろんやりたいと言っているだけではだめで能力も必要ですが、声をあげられることが重要だと思います。チャンスはどこかにありますので、組織の壁が厚くて全然やりたいことができないということはありません。一方、ITコンサルで、かつ例えば金融業界でずっと生きていたいという人はそういう希望を出せば、そこでスペシャリストになることも出来ます。自分のキャリアを描くのはご自身であり、コンサルタントとしてはそうした自由度が高いという意味で良いと思います。逆になんでもいいやと言っている人はいろいろな経験はできるのですが、振り返った時に中途半端になっていると感じてしまう可能性もあります。自分のキャリアの中でどの分野の能力を磨くかは常に意識されるべきだと思います。
EL
入社後は様々な業界業種のプロジェクトを担当されてきたと思うのですが、林様ご自身はワンプールの組織でのキャリア形成でどのような点を意識されていますか。
林様
私はITがバックグラウンドにあるので、そこを自分の強みの一つとして生かしたいと思っています。昨今はデジタルに関する要望も多く、最終的にシステムに落ちるものも多いので、プロジェクトの引き合いがあった際の素早いキャッチアップや、システムに詳しくないお客様への分かりやすい伝え方・教え方の部分で、価値提供できているのかと思います。
EL
これまで全くITに関わらないプロジェクトにアサインされたことはありますか。
林様
今まで経験した案件では、何かしらITに関するテーマが出てきていることが多いです。直近でもクライアントの業務に関するBCPを検討している中で、システム面も考慮しなくてはならないケースがありました。やはりそれだけITに関するテーマは多いのかなと感じますね。最近は、デジタル戦略に関する依頼も多く、我々ベイカレントとしてもデジタルのラボを作ったりして力を入れているところです。
EL
プロジェクトを獲得するのにあたって、他ファームとの差別化ポイントはどんなものがありますか。
林様
提案で終わりにしないことを我々の文化として大切にしていますし、ワンストップでやりきることでクライアントに安心を与えられていると思います。また、完全内資であるため価格や契約形態など、クライアントや案件に合わせた柔軟な対応をすることが可能です。そこも一つ強みかなと思います。
EL
マネージャー以上には、営業のノルマのようなものはありますか?
林様
コンサル部隊とは別に営業部隊がいるので、ノルマ自体はありませんが、提案書を作るのもコンサルタントですし、実際クライアントに提案内容を説明に行くこともあるので、そこにノルマがあるかないかの違いで、やっていることは他ファームのマネージャーと近いとは思います。
プロジェクトについて
EL
これまで担当された中で、印象に残っているプロジェクトやテーマはありますか。
林様
クライアントのAIロードマップを描いて、PoCを実施し、全社導入の支援まで行ったというプロジェクトが印象に残っています。ベイカレントが戦略のから実行までを担当したというのは、上記で説明したベイカレントの特徴をよく体現したプロジェクトですし、フェーズによって担当するコンサルタントが少しずつ変わっていたこともベイカレントの強みを生かせた部分だったと思います。立ち上がりから全社展開までで約1年8ヶ月のプロジェクトでした。PoCの終わりまでは約8ヵ月くらいでしたが、クライアント規模が大きかったので全社導入となるとかなりの時間を要しました。
EL
実際にはどういった業務にAIを導入されたのですか。
林様
全社共通業務として、どのような業務でも汎用的に使える検索システムにAIを導入しました。例えば、業務マニュアル・手順書でしたり、規定・規則等の文書等を探したりするようなシステムです。対象の文書が格納されているデータベース等を全て読み込み、それらをインデックス化して検索キーワードとマッチさせ、一覧を結果として返します。継続的なユーザーの使用によって、検索キーワードから返される結果が、AIにより最適化されていくという仕組みです。
EL
ベイカレントといえばワンプールというキーワードが良く出てきますが、1500人在籍していてワンプールというと社員間のコミュニケーションはどのように取られていらっしゃるのですか。
林様
プロジェクトが一緒の人間とコミュニケーションを取るのは当たり前ですが、春と冬に決算報告会と忘年会を目的とした全社イベントがあります。そういった全社でのイベント時には、社員が一度に集まります。知った顔を見つけると、互いの近況報告をし合いますし、困ったときにはダイレクトに相談して助けてもらうこともありますね。
EL
社内イベントはどのような形で実施されるのでしょうか。
林様
都内のホテルのホールを貸し切って実施することが多いです。そこで品質管理部によるナレッジグランプリという社内イベントがあり、プロジェクトで得たナレッジを体系化して、みんなで共有できるようにしています。予選から準決勝まであって、決勝は春の決算報告会で行います。
あとコミュニケーションでいうと、社内報が月1回発行されています。私はよくそれを読んでいますが、社内で行っているプロジェクトやそれに携わっているメンバーを知ることもできますし、話のきっかけにもなります。私も以前執筆したことがありました。それがきっかけで話しかけられたりすることもあるので、良いコミュニケーションツールだと思いますね。
求める人物像について
EL
一緒に働きたい方の人物像があればお伺いしたいです。
林様
素直で、言われたことを純粋に吸収してくれる人や、愚直にできる人が伸びる気がしますし、一緒に働きたいと思いますね。中途になるとご自身の経験の中での成功にとらわれてしまうパターンもあるので、意識的にそういった部分は一度忘れるのがいいかなと思います。当社の特徴として中途が多いこともありますが、様々なバックグラウンドの方がいるので先輩後輩関係なく学ぶ機会や事柄がたくさんあります。そういう時に純粋に好奇心を持って吸収する人の方がいいなと思いますね。
候補者へのメッセージ
EL
最後に候補者にメッセージをお願いします。
林様
今の会社ではできないけれど、実現したいと考えていることがベイカレントだとできる可能性があります。弊社は様々な試みへの挑戦と、その継続を大切にしているのでまだまだ伸びしろがある会社です。ぜひチャレンジしてほしいと思います。一緒に成長していきましょう。
企業プロフィール
Profile
ベイカレント・コンサルティング
この企業の詳細情報-
林 伸也(Shinya Hayashi) 様
シニアマネージャー
首都大学東京大学院修了後、NTTデータに入社。法人のお客様向けの部署に配属となり、システム構築の一連のプロセスを担当。その後2014年にベイカレント・コンサルティングに入社し、通信・金融・公共インフラのクライアントの複数プロジェクトに従事。2019年にシニアマネージャーに昇格し、現在に至る。