PwCコンサルティング合同会社|オペレーションズ部門|パートナー 田中 大海 様
Post Date:
2021-06-28 /
Category:
製造・通信・メディア, 外資系,
PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)、オペレーションズ部門のパートナー田中 大海 様にインタビューの機会をいただき、ウィズコロナ時代における当部門での取り組み、昨今のプロジェクト事例、働き方についてお話しを伺いました。
ご経歴について
EL
まずは田中様のご経歴について教えてください。
田中様
新卒で日系大手家電メーカーに入社し、テレビやビデオデッキなどの直材の購買業務、生産管理・生産技術の実務、現職業務につながる、サプライチェーン全体のグローバル改革プロジェクトで、冷蔵庫、洗濯機のような白物家電の需給改革を経験しました。
情報システム部門に異動後、社内コンサルに従事することになりましたが、以前からコンサルタントとしてのキャリアを目指そうと考えていたため、PwCコンサルティングの前身の会社に転職し、製造業クライアントに対するSCMのコンサルティングサービスを担当しました。その後、自分の領域を広げるため、いくつかの会社を経験し、それぞれの会社でセールス、ビジネスやソリューションの立ち上げ、M&Aアドバイザリーも経験しています。
いろいろな業務を経験し、今後のキャリアを考えていた時に、PwCコンサルティングがSCM系を主軸としながら会計にも関わることを強化していく方針であるのを知り、自身のこれまでの経験が活かせること、PwCの“To build trust in society and solve important problems”というPurpose(存在意義)が好きであったため、PwCコンサルティングに参画し、現在に至ります。
オペレーションズ部門の組織・事業について
EL
組織概要について教えてください。
田中様
PwCコンサルティングでは、サプライチェーンと言わずにオペレーションズと呼んでいます。
オペレーションズと呼んでいる背景にもなりますが、調達、生産、物流などのバリューチェーンの部隊の他に、バリューチェーン全体での共通業務をデジタル化でBPR(Business Process Re-engineering)する部隊として、例えば、間接購買系のコスト削減のプロジェクトを手掛ける専門チームが存在します。
購買や生産などのサブチームも存在しますが、あくまで一つの組織として考えており、領域間でのトランスファーは毎月発生しています。
昨今、調達・生産・物流・販売・アフターサービス間の垣根が下がっており、より統合的な管理が求められています。それに応えるにはオペレーションの高度化が不可欠であり、根本的なあり方を再考する必要があるということで、私たちは関連領域のコンサルティングを”One Team”として提供する体制を取っています。
EL
在籍者のバックグラウンドと女性の比率について教えてください。
田中様
事業会社出身者、ファーム出身者および新卒入社者、SI経験者(メーカーの情報子会社出身含む)の3つのカテゴリに分けた際に、だいたい1:1:1になるような組織構成になっています。
クライアントに価値提供をする上で、3つのバックグラウンドを持つ者が均等に在籍していることが望ましいと考えているからです。
また女性比率については、シニアアソシエイトやアソシエイトの半数が女性です。
ディレクターやシニアマネージャーも女性が増えており、オペレーションズ全体の女性の割合は20%程度となります。
サプライチェーン領域は男性が比較的多い傾向にありますが、当社のオペレーションズでは女性の活躍も目立っています。
直近のプロジェクト事例について
EL
最近の傾向や、コロナ禍を経て変化を感じられていることを教えてください。
田中様
まず初めに海外のPwCメンバーファームと連携する案件が増えていると感じています。PwCコンサルティングは外部からの評価としても、社内の雰囲気が柔らかい、組織の壁がないと言われますが、海外のメンバーファームに対しても上下関係はなく、横並びの関係であるため、連携が取りやすいです。
オペレーションズ部門においても対等な関係で、最近は海外のメンバーファーム側から日本と連携したいという打診も多く、人材を日本主導のプロジェクトに参画させるなど連携することが増えています。
またコロナ禍で変わったことで外せないのは、「リモート」と「DX」のテーマです。
サプライチェーン改革の内容自体は変わらずですが、それぞれのニーズの度合いが強くなりました。クライアント側で、今までは社内で頑張れば良いと考えられていたことが、外部のコンサルタントに依頼し改革を急ぐ傾向に強まり、私たちのサービスニーズにつながっています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響は、さまざまなところで今までの流れや、それぞれの重みを変えましたよね。
調達系では、COVID-19の影響で売り上げが減少したため、現状に耐えるためにコストを下げるというプロジェクト、生産系であれば、リモートでも生産データを正しく収集できるようにというプロジェクト、物流系では、物流機能の売却・買収を検討するといったプロジェクトをM&Aチームと連携したりしています。
そして販売系は、リモート販売、コネクテッドサプライチェーン等の案件が増えています。
例えば、よりユーザー目線に立ったBtoCのサイト作りや、工場に直接伝達できるような仕組みを構築するサービスにニーズがありますね。
EL
グローバルチームと連携する機会も多いのですか?
田中様
機会は多いです。直近では、サプライチェーン全体をコントロールし、需給やサプライチェーンプランニングを実施するというプロジェクトにおいて、欧州、アジア、米国という広い領域の担当とコミュニケーションを取り連携する案件がありました。また別件で海外のPwCメンバーファームが日本の企業から相談を受けたということで連携したというものもありました。
それぞれ、組織として壁がないPwCコンサルティングの強みを活かし、海外のメンバーファームと密に連絡を取りながら、スピード感をもって連携できました。
当社はナレッジの共有に壁がないことも強みの1つです。
定期的に各国のパートナーが参加するミーティングがあり、そこでは各国・地域のサプライチェーンの動向やナレッジの共有が活発に行われています。
先日もミーティングがあり、各国のサプライチェーン系の動向を共有し、このプロジェクトではこういった事例があったとか、プロジェクトになっていないものの、こういったインサイトでやっているなど、身近な他のリージョンに聞けることが、面白いところかと思います。
マネージャークラスでもこのような機会は時折ありますし、国を超えた若手のアソシエイトやシニアアソシエイトで構成されるコミュニティもあるため、英語を使える方は多国籍のPwCメンバーとコミュニケーションが取れる環境にあります。
また、このようなナレッジは使おうと思えば無尽蔵に、いくらでも使える環境がPwCコンサルティングにはありますので、挑戦してしまえば共創できる良い環境だと思います。
ですから、私はメンバーに積極的に意見をするよう伝えています。間違っても構いませんし、間違っても先輩がフォローするという組織です。
働き方の自由度について
EL
働き方について教えていただけますか?
田中様
現在PwC Japanグループとして出社の割合を全体の3割以下にしており、リモートワークのメンバーが多いのが実情です。ただし、オフィスやクライアント先へ出社する必要がある場合は、パートナー承認を得ることで出社を可能としています。
またリモートワーク支度金の給付など、リモートワークを支援する制度の導入も非常に早かったように思います。
当社の特長ですが、職員の働きやすさにつながる制度は、発案されてから実行されるまでのスピードがいつも速いですね。職員を大事にする社風の現れだと思っています。
プロジェクトへのアサインについて
EL
アサインはどのようにされているのでしょうか。
田中様
実は、PwCコンサルティングに戻ってきた際にいちばん驚いたのが、アサインです。
毎週アサイン会議を行い、本人の希望を聞いて、できるだけそれに合うように検討しています。自分が関わりたいと思っている仕事の方が、身が入ると思っているからです。
また自身のケイパビリティと少し違う領域へのクロスアサインも特徴的かと思います。
若手のアサインには、必ず少しストレッチを入れます。As-Isのスキルだけでは成長しないと考えているため、To-Beを経験させるなど、現在の経験から少しずらした経験をしてもらうことは意識しています。
EL
経験から少しずらしたアサインをした際、ご本人はどのようにキャッチアップしているのでしょうか。
田中様
まずは先輩や同僚、他部署のケイパビリティを持った者から知恵をもらって、知識の下地を作り、プロジェクトに入る時は、先輩が指導をしながら従事するという2段階でキャッチアップをしています。
また2~3カ月に1回、知識を共有するためのイベントを全員参加でやっています。ここでは若手のアソシエイトやシニアアソシエイトにイベントの運営を任せて、アウトプットしてもらっています。
EL
自身の経験と違った領域を希望される方のアサインは、どのようにされていますか。
田中様
まず、なぜその領域を希望するのか理由を聞き、自身で思い込んで判断していることはないか確認します。例えば「もっと上流を目指したい」という理由があった場合、その「上流」とは何かを問い、再考していただき、定義しなおします。その上で出た答えをもとに適切にアサインをする、ということを心掛けています。
PwCコンサルティングに入社する人の特徴について
EL
御社を選ぶ人にはどんな傾向がありますか?
田中様
PwCコンサルティングに入社される方は、私たちが大事にしていることでもありますが、共創の意識の強い方が合いますので、独善的ではなくチームで結果を出すことを好む方、柔らかい印象の方が多いです。
EL
若手に求める要素をお聞かせください。
田中様
常にさまざまなことを考え、自身のできる領域を広げようとチャレンジ意識を高くもつことが最も重要な要素であると考えています。
職階に関わらず相談しやすい環境がありますので、チャレンジするなかで困難にぶつかっても一人で悩む必要はありません。これもPwCコンサルティングの特長と言えるでしょう。
またSCMの領域が好きな人に入社して欲しいです。好きな理由は何でもいいと思っています。私自身もSCMが好きで、SCMを主軸としてキャリアを進め、インダストリー軸の経験をしましたので、縦(インダストリー)と横(ソリューション)の両方を経験してもいいと思っています。
当社はOEP(Open Entry Program)という手を挙げて異動できる制度があるので、インダストリー側、ソリューション側、両方トライすることも可能です。自分の進む道を探しながらキャリアの面積も広がると考えています。
候補者の方へのメッセージ
EL
最後に、候補者の方へメッセージをお願いします。
田中様
私がPwCコンサルティングに入社してから1つはっきり実感している事として、仕事が楽しいということです。
海外で「PwCに在籍している」と言うと「Congratulation」と返されます。そういったブランドの高さ、規模の大きさも感じます。
またコンサルティング以外に監査法人・税理士法人などの組織もあり、クライアントの課題に対応できるサービスメニューの広さからくるインパクトの大きさも感じられる会社だと思います。
オペレーションズ部門でも、サプライチェーン系ニーズがどんどん変わっています。SDGsの要素もサプライチェーンに入ってきていますし、社会貢献にも関わる機会も増えています。ぜひ、オペレーションズ部門を一緒に盛り上げていきましょう。
企業プロフィール
Profile
PwCコンサルティング合同会社
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田中 大海 様
パートナー
大手家電メーカーにて購買・生産・SCM関連業務、情報システム部門を経験後、コンサルティングファーム、M&Aアドバイザリーファームなどを経て現職。戦略策定から改革の実行、定着とさらなる後続活動へのつなぎまでを対象とする。 主に製造業における多数のプロジェクトマネージャーやコンサルティング営業、組織やソリューションの立ち上げを経験。書籍・雑誌などに多数寄稿している。業務・システム、経営と現場のバランスや整合を意図したコンサルティングを得意とする。 PwCコンサルティングではオペレーションズ部門のリードを担当している。