EYストラテジー・アンド・コンサルティング|ビジネスコンサルティング サプライチェーン&オペレーションズ(SC&O)|
社会課題起点のサプライチェーン変革チーム
Post Date:
2022-03-04 /
Category:
製造・通信・メディア, IT・デジタル, 外資系,
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)でサプライチェーン領域のコンサルティングを担当されているパートナー 平井健志様、シニアコンサルタント 鹿島悠太様をお招きし、、チームの特色や魅力、プロジェクトの醍醐味などについて伺いました。
◆無限の可能性を秘めた成長期のEYにジョイン
EL
では初めに、お二人のご経歴をお聞かせください。平井さんからお願いします。
平井様
大学時代は材料工学を専攻していたのですが、研究そのものというよりも、新しいテクノロジーが世の中をどう変えていくのかという方向に関心があり、就職先も国内のERPパッケージベンダーを選びました。そこで主に製造業のお客様に対してERPを開発・導入する仕事に携わり、10年ほどかけて業務プロセスに与えるテクノロジーの効果について知見を蓄えました。その後、IT系のコンサルティングファームに移り、大手製造業のバリューチェーン全体を変革する大規模なプロジェクトをいくつか経験しました。
EYに入社したのは2014年です。当時のEYは日本におけるいわば黎明期で、サプライチェーンの領域にもこれから打って出ようという時期でした。私はそれまでの経験で日本の製造業の置かれている状況や課題を知り、またデジタル技術を用いたサプライチェーンの変革についても問題意識を深めていましたので、まさにその専門チームの立ち上げに参画できることに非常に魅力を感じました。EYといえば、世界4大ファームの一角をなすグローバルネットワークを展開する存在です。そうでありながら、日本ではこれからが成長期であり、そのプロセスを当事者として体感することができる。この機会は貴重です。
鹿島様
私は事業会社の出身です。新卒で建設機械メーカーに就職し、工場の生産管理部門にまず約3年、それからアフターマーケットの担当に移り、補修用部品などのサービスパーツにおけるサプライチェーンの業務改善に関わりました。在庫の最適化や、顧客へのサービス品質改善といった課題が挙げられますが、日本と米国で4年ほどこれに従事しました。帰国後はシステム企画部門に異動しまして、サービスパーツの現場を知る立場として、そのサプライチェーンに業務システムを導入するプロジェクトに参加しました。
EYに入社して約2年が経ちましたが、入社以来一貫して、ある製造業のクライアントの組織再編をご支援するプロジェクトに携わっています。
◆サプライチェーンの全体最適化をエンドツーエンドで支援
EL
サプライチェーン&オペレーションズ(SC&O)という部門はEY独自のものだそうですね。サプライチェーンの機能強化だけでなく、ビジネスプラットフォーム全体の業務変革まで視野に入れていると伺いました。他のファームとは異なる特徴について教えてください。
平井様
大きく3つ挙げさせていただきます。まず、SC&Oは全世界のEYに共通の、統一された組織体系を持つ部門であるということ。150カ国以上に拠点を持つEYの各メンバーファームが同じ使命のもと、同じメソドロジーを共有し、体系化されたケイパビリティでお客様の課題解決に当たっています。
2つめは、お客様の課題解決に向けてチームを分断することなく、サプライチェーンのすべての機能と能力を投じてエンドツーエンドの体制でご支援すること。他のファームに見られる体制として、物流、調達、製造といったサプライチェーンの機能ごとにチームを構成する例がありますが、企業の課題自体が複雑に絡み合う以上、このような縦割り構造は適さないと考えています。
最後に、我々はあくまでもビジネスコンサルティングの立場にこだわって、お客様の課題解決に臨んでいること。最近の傾向として、サプライチェーンの課題解決にデジタルやテクノロジーの手段が欠かせないことは明白ですが、それありきの解決だけでは不十分です。IT系に重心を移すファームが散見されるなか、EYのメンバーならば、課題解決のために真に必要のあるコンピテンシーを見極めて、その専門部隊との連携で事に当たる生粋のコンサルタントでありたいと願っています。
EL
エンドツーエンド、一気通貫の支援体制はまさにEYの真骨頂といえますね。顧客の課題に沿って、最適なチームやメンバーをそのつど構成するわけですね。
平井様
お客様のサプライチェーンにおいて現実に起きている課題では、部門や機能ごとの個別の事情によるさまざまな制約のもとに、いかにして全体最適を図るかが問われています。その過程では往々にして部門ごとの壁、例えば生産と営業、生産と物流といった利害関係の調整に迫られることがあります。そのとき、我々もお客様と同様の部門別・機能別のチーム構成にしていたら、お客様が抱える課題とまったく同じ構図に陥らないとも限らないのです。だからこそ、フラットな組織で全体最適を追求する。それがEYの流儀です。
◆サプライチェーン変革を取り巻く3つのトレンド
EL
SC&O部門で取り組んでおられる最近のプロジェクトの傾向と、具体的な事例についてご教示ください。
平井様
これも3つの例を挙げて説明しましょう。第1に挙げたいのは、サプライチェーンの変革が、お客様のビジネス全体のトランスフォーメーションに紐付くケースです。これは今、製造業を中心に国内で顕著に見られる傾向で、例えば、B to B to CのビジネスからD to C(Direct to Consumer)のモデルに転換し、よりマーケットに近い場所で顧客を捉えようとする試みであったり、機能ごとに分かれていた子会社を統合してガバナンスの強化を図ったり、といった動きが挙げられます。製造業であれば当然のようにその一環で、サプライチェーンの構造にも変革が及びます。
こうした背景には、コロナ禍の影響により社会やマーケットの有り様が激しく変化している事情もあるでしょう。ある大手消費財メーカーの場合、顧客の望むものにより合致した製品へとモデルチェンジを図る一方、顧客へのダイレクトセールスに舵を切る決断をしました。在庫リスクも消費者対応も自社で引き受けなければなりません。では、そのための経営はどうあるべきか、工場や物流の体制をどう変えるのか、需給調整をどうするか。組織全体の設計も含めて、構造改革を進めています。
第2に、社会が抱えている課題に即してサプライチェーンを見直す必要性が高まっています。気候変動、経済安全保障、人権、税制・法規制、サイバーセキュリティなどは最たるものでしょう。コロナ禍の影響でいえば、半導体をはじめとする原材料の供給難への対処もあります。サプライチェーン変革はもはや自社だけの問題ではありません。「レジリエンス」「サステナビリティ」をキーワードに、より強靱なネットワークが求められています。
EYの場合、社会課題を専門とするユニットがあり、またグローバルな協力網でサプライネットワークの再構築を支援することも可能です。実際、税制対策として供給網の拠点をシンガポールに移転したり、障害対応に強い寄港地に切り替えたりといった事例があります。こうした社会課題起点のプロジェクトはここ最近、一気に増加している印象です。
3つ目は、従来からのミッションといいますか、コスト削減、あるいは仕入れから回収までの流れ、いわゆるCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮化といった事例です。つまり、既存のサプライチェーンの効率化、最適化ですね。この点については、先ほど申し上げたチーム横断、部門横断型の連携が奏功します。
例えば、SAP導入を踏まえたDX(デジタル・トランスフォーメーション)を行う場合、IT部分は当社のテクノロジーコンサルティングが中心となって対応し、サプライチェーンに変革が及ぶ部分は我々SC&Oが担当する、財務に関わる場面ではファイナンス部門を交えるなど、いくつものユニットを横串につないで1つのお客様の変革課題に応えています。
◆経営管理の領域にもコミットする醍醐味
EL
鹿島さんはいかがでしょうか。製造業の組織再編プロジェクトに2年間従事されているとのことですが、可能な範囲でご紹介いただけますか。
鹿島様
先ほど平井から紹介があったタイプでいうと、1つめのビジネストランスフォーメーションに紐付く案件です。全体像としては、大掛かりな組織再編プロジェクトの一環として、製造業として避けては通れない重要課題の1つにサプライチェーン全体の構造改革があるという図式です。
お客様としては、まず初めに中長期の経営ビジョンがあり、その達成に向けて解決しなくてはならない課題の中に、機能別の組織構造ゆえに時間を要していた意思決定スピードの改善があり、またバリューチェーン連携強化の必要性もありました。そうした中で、EYは組織再編の構想策定の段階から入らせていただき、実行計画の作成とその準備を1年半がかりでご支援させていただいてきたという流れです。
その過程で、サプライチェーンの見直しも俎上に載るわけですが、ここでは単に生産組織をどうするかとか、物流体制をどう変えるかとかいった部分的な解決策では事足りません。エンドツーエンドのサプライチェーン全体をどう再構築するかというビジネス全体の課題です。ひいてはそれが人事や財務の範疇まで幅広く関係してきますため、我々としても、当社の人事専門ユニットやメンバーファームの監査法人との連携が不可欠となっています。私はSC&Oのメンバーですが、経営管理の領域にまで足を踏み入れていることを実感する日々です。
EL
鹿島さんは事業会社のご出身ということで、その経験が生かされていると感じることはありますか。
鹿島様
はい、前職では10年近くにわたり、現場レベルで業務改革の進捗を目の当たりにしてきました。現在のプロジェクトは、具体的な実務レベルのオペレーションを検討する段階なので、ちょうどそのときと同じような状況をコンサルタントの側から見ていることになります。現場で実務を経験してきた人間として、このフェーズにおけるポイントがどこにあるのか、要所を押さえたサポートができるよう努めているところです。
◆「社会の問題に切り込む意思」でつながるEYメンバー
EL
御社で働くことの魅力、EYならではの特質についてお話しください。
平井様
私たちEYには、Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)という、全世界のメンバーが等しく仕事の拠り所としているパーパス(存在意義)があります。パーパス経営の重要性が広く認識されるようになって何年か経ちますが、EYほどそのパーパスが具体的かつリアルに浸透している企業は、なかなか見当たらないのではないかと思います。
サプライチェーンの変革にしても、先ほど申し上げたように社会課題を抜きにしては考えられない時代になりました。そうした状況下で、例えば人権問題への配慮も決してお題目ではなく、問題をクリアした最高品質の製品だけが世界中に届く社会を実現したいと、コンサルタント自身が本心から思えることの強さは確かにあると考えています。個々のメンバーにその共通意識があるからこそ、互いに触発し合い、建設的な議論が交わせるのだと思います。
そのことはまた、当社に根づいているDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス)の文化にも通じていると私は思っています。さまざまな視点を積極的に取り入れることができるのも、核となるパーパスを共有しているからでしょう。事実、ここには国籍も文化も考え方も異なる多様な人たちがいて、それぞれが専門領域や得意分野を持ち寄っています。それらを結集させて、より良いサプライチェーンとは何かを考える。これは非常に刺激的な環境ですし、自分自身の成長を促すにも格好の場であると思います。
鹿島様
私もここに参加して、最初に感じた魅力がそれでした。風通しがいいといいますか、自分の意見があれば臆せずに発言していい空気がありますし、実際に口に出せば耳を傾けてくれるメンバーがいます。前職の場合、こうしたほうが効果的だと思えることがあっても、これまでの慣例や制度に縛られて言いづらい、そんな経験を何度もしてきただけに新鮮でした。何にでもどんどんチャレンジできる、働きやすい環境だと思っています。
◆日本と世界のサプライチェーンを変えていく人材を
EL
そうしたリベラルな環境で、どのような方と一緒に働きたいですか。求める人物像をお聞かせください。
平井様
まず現在、事業会社におられる方に向けてお話しします。今、鹿島が言ったように、事業会社でサプライチェーンに関わった経験のある方の中には、全体最適に向けて行動を起こしたいけれど何らかの壁に阻まれて身動きが取れない、消化不良でモヤモヤした気分を抱えている、そんな人も多いと思います。明らかな課題に対してもっと前向きに、存分にチャレンジしたいという意思をお持ちの方、ぜひ私たちにお話を聞かせてください。
鹿島様
私自身、そうした境遇に身を置いていた時期にはずいぶんと悩みました。ここに集まっている人たちのバックグラウンドはさまざまですが、サプライチェーンに変革を起こしたい、挑戦したいという思いは共通しています。純粋にそのことだけを考えて、意見を交わすことができます。悩みをお持ちの方にこそ、知ってほしい環境だと思います。
平井様
今、別のファームにおられる方は、もっと自由に行動し、サプライチェーンの本質を追求してみたいと思いませんか。冒頭で申し上げたように、日本のEYは若い組織です。ここ10年で急激な成長を果たし、まだその上昇途中にあります。規模の追求だけを求められることなく、上意下達の一方通行に苛まれることもありません。我々は今、SC&O部門をもっと強化したいと考えています。ともに成長する仲間に加わりませんか。
EL
では最後に、SC&O部門の今後の方向性を踏まえて、読者の方へのメッセージをお願いします。
平井様
サプライチェーンが抱える課題はもはや、個々の企業で対処できる限界を超えつつあると私たちは認識しています。従来のように直線的に要素がつながるチェーンではなく、1つのネットワークとして全体を捉え、個別のサプライヤーや顧客はもとより、業界、マーケット、ひいては社会までも見据えて網羅的な視野から解決策を見いださなくてはなりません。では、どのようにして最適解を導くのか。SC&Oだけの問題ではなく、EYとしてのチーム構成や、そこに携わるメンバーの教育も含めて大きく変わろうとしている段階にあります。
鹿島様
社会の変化もそうですが、EYそのものが大きく動いていることを私も感じます。ものすごいスピードで成長しているなという実感。こういう場所で自分のやりたいこと、自分自身のスキルアップを実現できるなら幸せです。同じように思える方とぜひ一緒に働きたい、この感覚を共有したいと思っています。
平井様
そうですね。成長段階にあるからこそ、醍醐味があり、厳しさもあります。相応の努力は必要ですが、大きくビジョンを描き、愚直に突っ走ることができます。コンサルタントとして身につくスキルも圧倒的でしょう。意欲と志のある方、ご応募をお待ちしています。
企業プロフィール
Profile
EY ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
この企業の詳細情報-
平井 健志 様
パートナー
国内ERPパッケージベンダー、国内大手コンサルティングファームを経て2014年にEYに参画。EYにてSupply Chain Transformationを中心としたソリューションをリード。 製造業・流通業のビジネス変革を推進するサプライチェーン全体のDX構想策定からBPRの設計・実行まで幅広いコンサルティングを提供。 また、サプライチェーン領域のみならず、バリューチェーン(デマンドチェーン・エンジニアリングチェーン・サプライチェーン・サービスチェーン)全体変革を推進するプロジェクト経験を多く有し、企業全体の最適化を追求するコンサルティングを推進。
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鹿島 悠太 様
シニアコンサルタント
新卒で建設機械メーカーに入社し、アフターマーケット領域において主にサービスパーツの在庫最適化・顧客サービス性向上などの業務改善・システム導入のプロジェクトに国内外で従事。 2020年にEYへ入社し、製造業社の組織再編における構想策定~実行支援等のプロジェクトに従事。