PwCアドバイザリー合同会社| バリュエーション/財務モデリング/ESGソリューション/バリューコンサルティング|森様、牧様
Post Date:
2023-06-29 /
Category:
外資系, 女性,
本日はPwCアドバイザリー合同会社(以下:PwCアドバイザリー)の森様、牧様にインタビューの機会を設けていただきました。
バリュエーション/財務モデリング/ESGソリューション/バリューコンサルティングの特徴、プロジェクト事例、今後のビジョンなどについてお話いただきました。
ご経歴について
EL
お二人のご経歴をお伺いできますでしょうか。
森様
大学卒業後、新卒で都市銀行に入行し、公認会計士2次試験合格後に転職をして約20年間、 PwCアドバイザリーで一貫してバリュエーションや財務モデリングの業務に従事しています。近年はESGソリューションの推進にも携わっており、マレーシアとオーストラリアへの駐在も経験しています。
牧様
大学院を卒業後、総合商社に入社し、投融資案件の推進・評価や経営計画、子会社の経営管理などに従事していました。また、脱炭素を含めたメガトレンドを対象としたCVCの管理業務にも携わっており、それらの中で、グローバルな投資家目線での企業価値向上やESGには関心を持っていました。PwCアドバイザリーで企業価値創造・ESGを含む経営課題へのアドバイスを行う部署が立ち上がったと聞き、新しいチャレンジがしたいと考え転職しました。入社後は、M&A、組織再編やバリューコンサルティング、ESG戦略立案等の案件に従事しています。
EL
森様は公認会計士試験合格後、なぜ監査業務を経ずにフィナンシャルアドバイザリーの部門に転職したのですか?
森様
公認会計士2次試験合格後、一度監査業務を経てからフィナンシャルアドバイザリー業務に従事するためFASへ転職される方も多いと思いますが、「海外進出支援等を通じて日本企業の成長をサポートしたい」という自分の一番やりたいことにすぐにでも取り組めて、成長できる環境に身を置きたいと考え、監査業務を経ずに現在の部門に所属することを決めました。
また、入社してから分かったことですが、私の所属部門の業務におけるプロジェクトは、比較的短期間で完結することが多いです。そのため、年間を通じてみると、さまざまなプロジェクトにおいて多様な業界のクライアントへの業務提供経験を得られ、いち早く成長を感じられる点も魅力的でした。
各部門の概要
EL
各部門の概要について教えてください。
森様
PwCアドバイザリーは、ディールに関連して幅広いソリューションサービスを提供しています。本日は、バリュエーション、財務モデリング、ESGソリューション、バリューコンサルティングについて、簡単に紹介させていただきます。
まずバリュエーションでは、M&Aに関する株式価値評価業務や監査サポートを含む会計目的価値評価に関する業務を中心に業務提供を行っています。
約50名のメンバーが在籍しており、国内最大級のバリュエーション専門チームだと思っています。職員のバックグラウンドとして、主に日本あるいは米国の会計士の方が多いですが、MBA、証券アナリストの資格保有者に加えて、事業会社や金融機関出身の方も活躍しており、幅広い人材が所属しています。特徴としては、海外拠点との連携を通じたグローバル案件への対応力に加えて、チーム内で充実した研修制度を有している点が大きな強みの一つです。チーム内研修の1つとして、架空のM&A案件を想定し、想定クライアントに対しての業務提供と報告会をロールプレイング形式で実施し、実務に慣れるというプログラムもあります。
次に財務モデリングですが、M&Aなどにあたり対象会社のシナリオ別の事業計画を作成し、投資採算のシミュレーションを目的とした財務モデルの構築を中心に業務提供を行っています。
約20名のメンバーが在籍しており、財務モデリング専門チームとして国内でも規模が大きいほうだと思います。職員には、金融機関出身者、会計士に加えて、エネルギー業界を含む事業会社出身者に加えて、新卒採用者も多くおり、大変活気のあるチームです。特に、ダイバーシティが進んでいる点が特徴で、海外オフィスからの赴任者を含め、日本語が堪能なメンバーがほとんどなのですが、日本語が母国語ではないメンバーも多く在籍しており、日本語と英語を織り交ぜたコミュニケーションが日常となっています。また、モデリング部門でも、高い品質を保持するため、グローバルで統一されたPwC固有のモデリング技術やルールを習得するため、入社時研修から、随時のチーム内アップデートのためのシェアリング等、中途入社の方も早期にキャッチアップできる仕組みを整えています。
続いてESGソリューションですが、①ESG戦略立案、②個別ESG課題ソリューション、③M&AにおけるESG支援の3つソリューションを軸に業務提供を行っています。より具体的な業務例を挙げると、①はマテリアリティ(サステナビリティ戦略上の重要課題)の特定やKPIの設計、ネットゼロロードマップ、サーキュラーエコノミー戦略の立案支援等を行っています。②は脱炭素実現のための蓄電池などの新技術導入のための支援、脱炭素の投資意思決定促進のためのインターナルカーボンプライシング設定の支援、ゼロカーボンシティの実行支援、人権デューデリジェンスと、主なものでも挙げるのが困難なほど大変幅広い領域を扱います。③はM&A前のESGデューデリジェンスやM&A後のESGに関するPMI(ポストマージャーインテグレーション)業務が挙げられます。
現在、約20名が在籍しており、ディール×ESGの領域では最先端を行く画期的なチームです。環境、人権やガバナンスの領域に専門性を有するメンバーに加え、コンサルティング業界、金融機関、総合商社、事業会社出身者等で構成されており、今年度には30名へメンバーを増やしていく計画です。
最後にバリューコンサルティングですが、事業ポートフォリオの再構築、財務戦略立案、ROIC経営のための体制構築、投資評価管理等を行っています。クライアントのCFO(最高財務責任者)あるいは財務戦略部門と議論を行い、案件を進める点で、企業の財務戦略の中枢にリーチしながら、企業の方向性をダイナミックに描いていく業務となります。
そのため、案件に応じてバリュエーション関連の知見だけでなく、財務戦略、IR、ガバナンス等の幅広いソリューションの組み合わせが必要になることもあり、シニアマネージャーおよびマネージャーを中心に活動しています。従来からのコーポレートガバナンスに関する議論の高まりに加えて、現在の市場環境もあり、多くのクライアントからお声掛けを頂いています。
EL
PwC Japanグループ内のさまざまな会社・部署でESG関連のサービスを提供していると認識していますが、貴社の特徴は何でしょうか。
牧様
グループ内で密に連携しながらプロジェクトを推進していますが、特に当社はディールに関係する案件へ強みを有しています。ESG領域のデューデリジェンスやPMIの他、例えば2050年のカーボンニュートラルへ向けてCO2排出量の多い事業のあり方を見直す等、事業ポートフォリオ再構築の一環でM&Aの支援を行うこともあります。
また、投資家目線でサービス提供を行うことが多い点も特徴的です。例えばESGに関する戦略を策定したいというお客様の中でもさまざまな思惑がありますが、当社はどのようなアドバイスが株式市場・投資家に対して訴求力があり株価向上につながるか、という点を重視しています。
プロジェクト事例について
EL
具体的なプロジェクト事例を教えてください。
牧様
グローバル企業に対してESG戦略を策定し根付かせていく案件がありました。海外に多くの子会社があり、CxOクラスの方々や経営企画部・サステナビリティ推進部、その他さまざまな部門のメンバーが関与していたため、言語もメンバーも多様なプロジェクトをグローバルで推進していくダイナミズムがありました。
また、バリューコンサルティングでは、資本コストを意識した経営を実現するため、CFOや経理・財務部門だけでなく会社全体の知識レベル向上を目的としたワークショップや説明会の開催、資本コストの枠組み作りや現場への導入支援等を行うといった案件もありました。株主に対する説明責任を果たすため、財務的な規律を持った投資判断をしなければならないというニーズも増えており、投資評価管理の体制構築等も手掛けています。
キャリア・働き方について
EL
貴社、および部門でのキャリアについて教えてください。
森様
当社へ入社後は、3つのイニシアチブ(SROI+IUR、TSVM、CF)のいずれかに所属していただきます。当初は本人のバックグラウンド等を考慮し所属が決まりますが、自らの意思で希望を出し、異動することも可能です。
* イニシアチブ
SROI+IUR:S (Deals Strategy), ROI (Restructuring & Operational Improvement) & IUR (Infrastructure & Urban Renewal)
TSVM:TS (Transaction Services) & VM (Valuation & Modeling)
CF:Corporate Finance
EL
英語を使う機会は多いのでしょうか。
森様
バリュエーションと財務モデリングは海外案件が半数以上を占めることもあり、対象会社やクライアントとのメールのやり取りや打ち合わせ等で英語を行う機会は多いです。また、海外のクライアントが日本企業を買収する際のサポート業務等もあります。
ESGソリューションとバリューコンサルティングに関しては、基本的には日本のクライアントが多いですが、ESGデューデリジェンスなどでは海外クライアントも多く、英語を使う機会もあります。
すべての領域で共通しますが、さまざまな強みを生かしたチームアップをするのがPwCの特徴でもあり、英語案件において、英語が不得手な方でもご自身の専門性を生かし、英語が得意なメンバーと連携しパフォーマンスを発揮できます。
EL
働き方はいかがでしょうか。
森様
基本的にはリモートワーク中心となっていますが、オフィスに出社して他のメンバーと協働したい、また対面でのコミュニケーションを増やしたいというニーズもあります。特に入社したばかりの方は出社してコミュニケーションをとりたいと考えているでしょう。やっとコロナ禍が落ち着いてきたこともあり、最近では出社比率も高まってきました。プロジェクトによってはオフラインで顔合わせを実施したり、食事会を行ったりするケースも増えてきており、以前より対面でのコミュニケーションが活発になってきています。
牧様
チーム全体で方向性を決める議論をする場合や、お客様との打ち合わせはオフラインで実施する機会も増えてきた印象があります。一方、私は小さい子どもがいるため、迎えの時間になると仕事を一時中断させる等、リモートワークも活用して家事と仕事を両立させています。
EL
M&Aアドバイザリー業界は残業が多いというイメージを持たれている方もいらっしゃいますが、実態はいかがでしょうか。
森様
数年前までは、実際に残業時間が多く、イメージ通りだったかと思いますが、会社全体で労働環境改善を推進することにより、すでに大きくイメージとは異なる改善を果たしています。
パソコンが起動している時間を把握する等、稼働時間の管理を徹底しており、また、原則として22時以降にメールは送らないようアナウンスもしています。以前よりもほとんどのメンバーが早い時間帯に帰宅しているのではないでしょうか。
リモートワークの状況下でも同様で、稼働時間が長くなっているメンバーに対してはチームリーダーがコミュニケーションを取りフォローしています。
EL
海外駐在されているメンバーはどれくらいいますか。
森様
全体では50名程度です。駐在先もさまざまで、12カ国ほどあります。また、多様な人材育成の観点から、事業会社へ出向しているメンバーも多く、銀行や総合商社の他、スタートアップ企業へもメンバーが出向しています。
牧様
長期間の海外出張も多く、私は昨年合計7カ月ほど海外で仕事をしていました。
森様
コロナ禍が落ち着いてきたこともあり、海外出張は増えています。また、海外で行われる研修などに若手メンバーを派遣するプログラムも再開されています。私自身、海外駐在を経験したことで、かけがえのない学びを得たこともあり、多くのメンバーにチャンスを与える方針を採っています。また、日本においても、日常的に英語を使う機会もありますので、グローバルな環境に興味がある人にとっては、非常に良い職場だと考えています。
今後のビジョンについて
EL
今後のビジョンについて教えてください。
森様
COVID-19の影響でビジネス環境が急激に変わっていく中、サステナビリティやデジタルへの関心等を起因として社会や経済の変革がさらに進んでいくものと考えています。当社としては、時代の要請に応じて幅広い既存のサービスに加えて、新しいサービスを開発し提供することにより、企業の価値創造(バリュークリエーション)に関わっていきたいと考えています。
また、一部門の専門性だけでは解決できない課題も増えてきており、さまざまな部署のメンバーが協力して一丸となってソリューションを提供していかなければなりません。この点がPwCの強みでもあるため、積極的にコラボレーションしながら社会の課題を解決していきたいです。
牧様
現在はESGが重視されていますが、時代に応じて経営課題も変化すると考えています。ある程度の専門性を持ちながらも、特定のソリューションに固執しすぎることなく、お客様に寄り添って柔軟に課題を解決する支援をしていきたいと考えています。
求める人物像と候補者の方へのメッセージ
EL
求める人物像について教えてください。また、求職者へメッセージがあればお願いします。
牧様
私が成長のスピードが速く、周囲から重宝されると思う人物像の要素は3つあります。
1つ目は自分の考えや想いを強く持っていること。2つ目は異なる意見や考え方を受け入れる柔軟性や寛容さを持っていること。3つ目はチームに貢献したいというマインドを持っていることです。
もちろん、すべてを最初から持っている必要はなく、経験を重ねるなかで徐々に身に付くものとも思いますし、当社はそのように人を育てるカルチャーがあるとも思っています。
森様
当社は情熱を持った方にフィットする会社です。自分で手をあげてやりたい仕事にチャレンジしている人は成長スピードも早いですし、そのような熱いマインドを持っている人は、私から見ても羨ましいくらいに輝いています。情熱を持って仕事をしたい方には、ぜひ積極的にご応募いただきたいと考えています。
EL
本日は貴重なお話有難うございました。
企業プロフィール
Profile
PwCアドバイザリー合同会社
この企業の詳細情報-
森 隼人 様
パートナー
主にバリュエーション業務および財務モデリング業務を中心に従事。バリュエーション業務においては、事業価値評価、株式価値評価、株式交換・合併比率などの統合比率の算定のほか、フェアネスオピニオン、さらには各国会計基準に基づくパーチェス・プライス・アロケーション、減損会計のための評価などのサービスを約20年にわたり提供している。また、M&A目的に加えて、事業ならびに投資の経済性分析などを目的とした財務モデリング業務についても専門的な支援を提供しており、直近では、ESG関連アドバイザリー業務の推進にも従事している。 公認会計士、The Fundamentals of Sustainability Accounting (FSA) Credential Holder
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牧 洋子 様
シニアマネージャー
大学院を卒業後、大手総合商社に入社し約10年勤務。商社では主に投融資案件や経営計画等の業務に従事していた。2020年にPwCアドバイザリー合同会社に入社。M&Aやカーブアウト(独立や事業部門切り出し)、ESG戦略や脱炭素、バリューコンサルティング等のアドバイザリー業務に従事している。