PwCコンサルティング合同会社|X-Value & Strategy部門|岡村様、溜井様、スウ様
Post Date:
2024-01-31 /
Category:
IT・デジタル, 外資系,
本日はPwCコンサルティング合同会社/X-Value & Strategy(以下、XVS)部門の岡村様、溜井様、スウ様にインタビューの機会を頂戴し、同部門の特徴、プロジェクト内容、求める人材像等についてお話しいただきました。
※法人名、組織名、役職、インタビューの内容等は取材当時のものです。
ご経歴について
EL
皆様のご経歴をお伺いできますでしょうか。
岡村様
私は大学を卒業してから20年以上にわたり、コンサルタントとしてのキャリアを歩んできました。また、スタートアップを起業したり、ヨーロッパに留学したり、国際機関で働いたりと、さまざまな世界・業界に触れる経験を得ました。
結果、様々な世界・業界を組合せ、これまでにない新結合を創造することで、これまで誰も解決することのできなかった問題にアプローチするといったプロジェクトの面白さに魅了されるようになりました。そこで、産業横断型エコシステムの創生を支援するプラクティスの立上げにコミットしたいという想いを持つようになり、3年ほど前にPwCコンサルティングにジョインしました。PwCコンサルティングは、異なる産業や機能といった多種多様なケイパビリティ間の共創が盛んなファームであり、グローバルなコラボレーションもしやすいことから、私自身のテーマとの親和性が高いと感じています。
溜井様
大学を卒業後、国内大手信託銀行に勤務していましたが、銀行を退職してコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせました。PwCコンサルティングにジョインする前に別のコンサルティングファームで働いていましたが、組織がまだ若いということもあり、自分が求めているような仕事ができない状況が続いていました。そのようななかで、たまたまPwCコンサルティングで働いている方とプロジェクトでご一緒する機会があり、その方から声をかけていただいたことをきっかけに興味を持ち始めました。大きな組織で特定のソリューションで自分の力を磨いていきたいという想いが強くなったこともあり、PwCコンサルティングにジョインすることを決めました。
スウ様
前職は日系コンサルティングファームに勤めており、SAPの導入やデータウェアハウス構築、データの可視化といった領域を経験しました。働いているなかでシステムやツールの実装だけではなく、より上流の工程から関与したいという気持ちが強くなり、転職を決意しました。ITの知見を活かした仕事を探しているなかで、戦略から実行まで深く関わることができるPwCコンサルティングに魅力を感じ、ジョインすることを決めました。
X-Value & Strategy部門について
EL
所属されているXVS部門について教えてください。
岡村様
現在、XVSには200名強のメンバーが所属しており、クライアントの経営・事業課題の解決に向けた戦略と実行を総合的に支援しています。バックグラウンドとしては、他のコンサルティングファームから移籍してきたメンバーと、事業会社から転職してきたメンバー、そして新卒入社のメンバーが、よいバランスの割合で在籍しています。
XVSはクロスバリューストラテジーといって、戦略レイヤーの様々なケイパビリティが相互に連携することで、より重要で先進的な経営・事業課題の解決支援に取り組むチームです。具体的には、5つのケイパビリティグループがあります。
1つ目はグロース&エコシステムです。
経済・社会の変化を先取りし、クライアントが有する強みを踏まえた成長戦略や、その前提となる産業構造・ドメイン自体を創造するためのエコシステム戦略の策定と実行を支援します。
2つ目はデジタルストラテジーです。
クライアントがテクノロジーの進化を味方に付け、様々なデジタルアセットに投資しながら、それを事業や経営に対するインパクトへとつなげ、 、
新たな事業の立ち上げや事業変革を効果的かつスピーディに推進することを支援します。
3つ目はトランスフォーメーションデザインです。
クライアントの変革に向け、「変革の指揮者・司令塔」としてPwCコンサルティング全体のケイパビリティのハブとなって、戦略策定から変革のデザイン・実行支援まで、クライアントの各CXOが持つ個別の変革テーマをビッグアジェンダとして全体をマネジメントし、実行まで支援します。
4つ目はストラテジックファイナンスです。
「クライアントの企業価値の最大化」に向け、ROIC経営やデータドリブン経営といった新しい経営手法に対し、戦略とコーポレートファイナンスを融合させた視点から、企業の投資(撤退)意思決定の高度化や財務パフォーマンスの向上を支援します。
5つ目はM&Aトランスフォーメーションです。
M&Aをトリガーに、戦略策定、PMIの支援をします。クライアントの海外進出やグループ・組織内再編等の重要な変化局面にある企業の事業ポートフォリオ戦略の転換および促進、PEファンドによる事業成長を支援します。
このように、経営・事業戦略上の重要テーマに対応するために必要なケイパビリティのラインナップを揃え、それぞれが独立で動くのではなく、相互に連携して案件組成・デリバリーを行っています。社内では、各グループがナレッジをオープンに共有するという形で学び合い、クライアントのために必要な連携を日々模索しています。
もちろん、XVSに閉じず、同じくPwCの戦略コンサルティングを担うStrategy&やFuture Design Lab、また他の業種・機能別チーム、更にはPwCアドバイザリーなどPwC Japanグループの他のメンバーファームとの協働も多く、私が今見ている案件で、XVS単体でデリバリーしているものは一つもありません。あえてXVSの特徴を挙げるとするならば、戦略立案だけでなく実行支援までを担当できることはもちろんですが、多くのステークホルダーを巻き込みながら、先ほど挙げたようなチャレンジングなテーマに取り組んでいる、ということでしょうか。
EL
事業会社出身の人も多いと伺いましたが、事業会社ではどのような部署出身の方が多いですか?
溜井様
事業会社だと、経営企画や事業戦略に関する部署の出身者が多いと思います。その他には財務系やIT系の部署に在籍していた人もいますね。事業会社の転職者には、戦略の立て方や実行の仕方を体系的に学んで実践してみたいと考えて転職を決意した人が多い印象があります。事業会社ではどうしても決まったやり方で戦略立案や実行がされることが多く、また自社のことしかできないので、少し視野を広げてみたいと考えて、コンサルティングファームへの転職を希望している印象です。
EL
他のコンサルティングファーム出身の方でPwCコンサルティングに転職してくる方は、どのような理由で入社される方が多いですか?
スウ様
戦略から実行まで一貫して支援できるという点に魅力を感じて転職してくる人が多い印象があります。戦略を立てる部分だけに携わっていてあまり達成感を得られなかったという人もいますし、システム案件ばかりでそれに飽きてしまった人もいます。また、PwCコンサルティングには色んなテーマがあり、さまざまなチャレンジができるという点に魅力を感じる人も多いです。
溜井様
PwCコンサルティングのコラボレーティブな部分に魅力を感じて入社する人が多いですね。先ほども話にありましたが、PwCコンサルティングではPwC Japanグループの他のメンバーファームとも深く連携してプロジェクトを進めていくことが多いので、広い視点で、専門性のある人たちとタッグを組んで仕事ができそうだという期待も大きいようです。
プロジェクト事例について
EL
具体的なプロジェクト事例を教えてください。
岡村様
私が現在担当しているプロジェクトを1つ紹介します。ルワンダ共和国(アフリカ)の行政改革と産業改革を同時に推進するという野心的な戦略の策定と実行を支援するものですが、関係省庁の大臣・事務次官に加え、JICA、GIZ、世界銀行等のドナーや現地スタートアップなど、多くのステークホルダーとコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めています。戦略の目標やアプローチの設計だけでなく、省庁横断型の官房組織立ち上げや、重要法案の枠組み・内容に関する諮問、世界に類をみない革新的な官民連携・行財政改革事業の実証など、足元でも多くの支援を行っています。
ルワンダを中長期的にどうしていくべきか、またルワンダで生まれるイノベーションが世界にどのようなインパクトをもたらすかを考え抜き、また現地のメンバーとも議論を重ねてきました。PwCルワンダに所属する同僚にも多く参加してもらっています。
溜井様
私はM&Aトランスフォーメーションに所属していますが、最近携わっている案件では、同じ戦略コンサルティングチームであるStrategy&と協力して中期経営計画の策定を行い、戦略の1つとして国内外の企業を買収したり、グループ内の組織を再編したりしています。グループ内のガバナンス強化を行う場合はガバナンス側のチームと協業しますし、税金周りの論点はPwC税理士法人とコラボレーションすることもあります。また新しい会社を買った時には、その会社の人事制度を定めるために人事コンサルティングのチームと一緒に制度を作っていくようなことも多いです。日本を代表するような企業の案件をいくつも抱えているので、非常にやりがいのある環境だと考えています。また、グローバルな案件も数多くあり、海外とのやりとりが発生する業務なども頻繁にありますね。
働き方について
EL
プロジェクトへのアサインメント(配属)やグローバル案件への関与、リモートワークについて教えてください。
岡村様
メンバーにはそれぞれコーチがつき、各人のキャリア成長を支援します。「この能力を伸ばしたいから、次はこういう経験を積みましょう」などといったように、個別に一人ひとりをフォローしながらアサインメントや研修受講を支援しています。私も、担当するコーチングツリーのメンバー一人ひとりと、3か月に1回は1on1で話をする機会を設けており、ミスコミュニケーションが発生しないよう留意しています。
アサインメントについても、個々人の意思やキャリア計画を重視しています。たとえば、グローバル案件に携わりたいという人には、海外のメンバーファームとの連携があるプロジェクトに参加してもらう機会を作るようにしています。もちろん、英語ができない人やご家庭の事情などで希望しない人も一定数いますので、そのような場合、無理にアサインすることはありません。
リモートワークの割合に関しては、プロジェクトによって変わってきます。基本的には、ほぼリモートを前提としたハイブリッドな働き方になっています。私自身はメンバーとコミュニケーションをとるために、努めて意識的に出社するようにしています。中途で入社された方などをフォローするために、対面で交流する機会を作ることはよくあります。
溜井様
オフラインで会うかどうかはクライアント次第の部分が強く、クライアントがオフィスに出社していないのであればオンラインでコミュニケーションをとることが多いです。ただ、リモートばかりになってしまうとメンバー同士のコミュニケーションが希薄になってしまう部分があるので、毎週〇曜日に集まりましょうと決めるようなこともあります。コロナ禍を経て、実際にクライアントのオフィスに伺うケースは以前よりは少なくなってきたと感じています。
スウ様
プロジェクトからオフィスに来るように指示されることはほとんどないですね。もっと対面でメンバーとコミュニケーションがとりたいと思った時に、オフィスに行くという感じです。
アサインメントに関しては、必ずというわけではないですが、自分からコーチに希望を出せば比較的希望に沿ったアサインメントをしてもらえる印象を持っています。
EL
人材育成の仕組みについて教えてください。
溜井様
PwCコンサルティングでは全社的に実施されている中途入社の方に向けた研修があり、入社後、特にコンサルティング業界未経験の方にはまずそれに参加してもらう形になります。それ以外にもXVSとして、コンサルティングスキルやコンサルタントマインドを身につける機会は多く用意しています。XVS全体のものだけでなく、先程ご説明したケイパビリティグループという軸でのトレーニングもあります。
スウ様
私もその恩恵を受けています。、たとえば入社まではM&Aとは無縁のキャリアだったんですが、XVSに入ってからデューデリジェンスに関する研修などにも参加させてもらうなど、さまざまな知識を身につける機会が多くあると感じています。
EL
PwCで働く魅力を教えてください。
岡村様
クライアントの重要なアジェンダに対応するために、さまざまなチームと連携しながら、戦略立案から実行までを支援することができます。また、PwCコンサルティングは本当の意味でのコラボレーションができる環境です。たとえば、どちらのチームの数字になるのか・・等といった揉めごとが起こるようなことは、このファームでは経験したことがありません。あらゆるレベルでコラボレーションが機能しているというのが大きな特徴ですが、これに関しては制度的な手当てというより、PwC全体の文化がそうさせていると感じています。これは日本以外の国・地域でも同様で、文化によるガバナンスがグローバルなレベルで効いているという稀有な組織だと思いますね。
溜井様
社内でのコラボレーションが活発で、さまざまな情報が集まってくるので、それをもとに案件が積み上げられているのではないかと考えています。また、クライアントからさまざまな課題をいただくので多くのリソースが必要になることがあります。そういう点でもPwCコンサルティングには優秀なメンバーが多数在籍しているので、クライアントが抱えているたくさんの課題に広くアプローチすることができていると感じています。
スウ様
PwCコンサルティングでは部門間だけでなく、メンバー間でのコラボレーションも活発です。何か分からないことがあった場合に、全体のチャットで投げかければすぐに誰かが回答してくれる環境です。私が質問したことにパートナーの方が答えてくれることもあり、フラットなコラボレーションがしやすい環境だと感じています。
EL
今後のビジョンを教えてください。
岡村様
この10年で、多くの重要な経営・事業前提や価値命題が変化した結果、従来の成長・競争を目的変数とした方程式やガバナンスにも、抜本的な見直しが必要になっていると思います。結果、コンサルタントに求められる人物像、能力・経験、働き方なども大きく変わっているのだと理解しています。
一方、日本の企業や公的組織は、まだまだその変化にフィットできていないと感じています。XVSには5つのケイパビリティグループがあり、クライアントが直面する最先端かつ重要な問題に対してさまざまな支援ができるような体制を整えています。日本の企業や公的組織が、ふたたび世界で躍進し、その結果として社会の重要な課題を解決することができるよう、今後も強い信念を持って日々の業務に取り組んでいきたいです。
溜井様
M&Aの観点からお話をさせていただくと、日本ではM&Aをする企業が増えてきていますが、成功事例はまだ多くないと感じています。会社を買う時だけではなく、会社を買った後にきちんと成果を残せるような体制を構築できるまで伴走支援したいと考えています。そのために、社内で積極的にコラボレーションをしながらクライアントに質の高い提案をし続け、PwCネットワークの力を結集して企業を支えていきたいです。
求める人物像/求職者の方へのメッセージ
EL
求める人物像と求職者の方へのメッセージをお願いします。
岡村様
求める人物像は大きく分けて3つあります。1つ目は戦略コンサルタントとして戦略立案から実行までを支援したいと考えている人、またそのようなキャリアを追い求める人です。2つ目は、一匹狼ではなくて内外と積極的にコラボレーションを図っていける人です。3つ目は高い専門性や強い職業倫理を持っていながら、人としての優しさを持っている人です。
これらに当てはまるような方には是非XVSの門を叩いていただきたいと思っています。
溜井様
PwCコンサルティングはメンバー同士の仲が非常に良い組織だと思っているので、そのような雰囲気が好きな人であればフィットするのではないかと思っています。専門性を突き詰めて一人でやり切るというスタイルもあるかもしれませんが、チームとして協力して成果を上げていきたいというマインドを持っている人と一緒に働きたいと思っています。
スウ様
経験したことがない分野に対しても高い好奇心を持てる人がフィットするのではないかと考えています。XVSは今後も取り扱うテーマが幅広くなっていくと思いますので、自分の分野にとらわれることなく、柔軟に対応していける人と一緒に仕事がしたいです。
EL
本日は貴重なお話有難うございました。
企業プロフィール
Profile
PwCコンサルティング合同会社
この企業の詳細情報-
岡村 周実 様
執行役員 パートナー
慶應義塾大学卒業、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 行政修士(MPA)、パリ政治学院 公共政策修士。国際協力機構におけるDXとイノベーションの推進に関する外部有識者や、横浜市立大学 大学院 医学研究科 非常勤講師(未来医療)、ルワンダ共和国 デジタルイノベーション促進プロジェクト チーフコンサルタント等を兼務。
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溜井 智也 様
マネージャー
国内大手信託銀行、コンサルティングファームを経て現職。銀行・保険・証券などの金融業界を中心に、テクノロジー・人材など、さまざまな業界向けにコンサルティングサービスを提供。経営統合、グループ内再編、中期経営計画策定、新規事業構想、ITロードマップ策定、大規模システム導入までの幅広い経験を有する。
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スウ キンテイ 様
シニアアソシエイト
大学院修了後、国内総合系コンサルティングファームに入社。データドリブン経営を支援するデータ基盤設計・構築、データ可視化コンサルティングサービスを提供。2021年にPwCコンサルティングに入社。新事業テーマ検討、戦略立案、業務最適化および組織改編などのプロジェクトに従事。2023年より現職。