株式会社クオンツ・コンサルティング|執行役員パートナー 武藤 祐希 様
Post Date:
2025-04-01 /
Category:
IT・デジタル, M&A,
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株式会社クオンツ・コンサルティング(以下クオンツ・コンサルティング)の武藤様にインタビューの機会を頂戴し、クオンツ・コンサルティングのM&A・ストラテジーチームの特徴や組織風土、今後のビジョンについてお話いただきました。(※法人名、組織名、役職、インタビューの内容等は取材当時のものです。)
ご経歴について
EL
ご経歴をお伺いできますでしょうか。
武藤様
日本と韓国で学部時代を過ごし、英国で大学院修了後、Deloitte, EYの2社を経て、現職に就いています。Deloitteでは、Poolから現在のMonitor Deloitteの前身であるDTCのStrategy&M&A DivisionのM&Aに長期アサインとなり本配属になりました。
経営戦略でも特にM&Aや事業ポートフォリオ見直しやコーポレート改革といった全社戦略案件に従事し、いわゆる短期的な財務利益の追求を行っていました。その後、EYに転じてからは、中期経営計画/長期ビジョン策定やサステナビリティ戦略、M&A/JV組成といったアライアンス戦略、成果報酬型で短期間に数百億円程度のコストダウン・全社BPR、分社化ターンアラウンド等、短期的な財務価値の向上だけでなく、ステークホルダーを意識した中長期的な企業価値向上をテーマに、CxOアジェンダに直結するコンサルテーションを手掛けていました。
またEYでは、EYSC以外の枠組みでも「PJ Dragon」の改革施策に多く関与できたことで、複数のユニットの立ち上げ支援や、新卒・海外採用、特にグローバルでのハイアリング/アセット開発、インターン採用などのファームバリューの領域やインテリジェンス機能のリサーチチーム立ち上げ等に参画していました。ほかにもJapanのパートナーが参加する重要な会議体、グローバルのエンゲージメントパートナー間でのアカウント会議や、EYの各サービスラインのリーダー会議の補佐等、経営や組織運営の核心に近いところで、キャリアの早いうちから裁量権をもった形で多くの経験を積ませていただきました。
クオンツ・コンサルティング創業の背景
EL
M&A総合研究所を親会社にしたコンサルティング部隊として立ち上がったクオンツ・コンサルティングの創業の背景や経緯をお伺いできますでしょうか。
武藤様
社長の佐上は、エンジニア出身ですが、東証プライムに約3年9カ月という短期間で上場を果たし、IT/DXや先鋭的なAIを活用したビジネスモデルで、徹底した合理化・効率化を行いながらも、常に定量的な経営数値の向上にこだわる経営者です。
M&A仲介というビジネスを通じ、日本企業の抱える業務/経営効率の課題を強く認識していたようで、特に日本の生産性低下が進む中で、大企業でもレガシー化するシステムを抱え、企業変革が急務と考えていたと理解しています。実際、多くの日本企業は子会社や孫会社を多数抱える中で、アメリカ等のグローバルプラクティスと比較してもIT/DX化が遅れているという課題があり、この状況を打破するために、M&AやIT/DXのノウハウを持ち、事業会社として株価やIRをうまく活用し、日本の大企業の企業価値を向上させる、M&A総合研究所発のコンサルティングファーム設立へつながっていったと考えています。
一方私は、いわゆるBig4の枠組みで、仕事にやりがいも一定感じており、特に大きな不満もありませんでしたが、今後もし自分がパートナーという立場で定年まであと25年近く生きるとなると、既存のビジネスモデルだけでは限界がくるのでは、とも悩んでいた時期でした。クライアントの実益や価値向上に直結するコンサルテーションに専念できる環境を自分で構築したいとも考え始めたタイミングでもあり、当時の私は、本当の意味でクライアントに価値を提供し、時価総額や株価に直結するような経営戦略を実現するサービスやスキームについて、コンサルティングファームは一体何ができるのか深く考えていました。
コンサルティング業界がデジタルシフトしている中で、Big4のビジネスモデルも大きく変化する時流に入っています。例えば、近年は数年単位で大きい売上を獲得できるシステム導入や、大規模な公共案件に経験がまだ浅いメンバーを大量に導入する案件の比重が大きくなっているファームもあります。確かにメリットもあるなという一方で私は、一義的にまず日本の大企業の時価総額や株価等の実益に直結し、CxOアジェンダに直結する経営課題について、クライアントと対峙しつつ、新しいビジネスモデルやマーケットを定義することをどのように中長期で行うか思考していました。
他にも、他社との共同営業活動や金融・投資行為を伴う活動には、グローバルファームならではの内部審査・管理業務の複雑な手続きを必要とし、また独立性の観点で金額や特にサービスの提供先や財務領域でのサービス制限、ハンズオン支援の制約が多く、もっとクライアント目線でもっと効率がよく、最適なアプローチが出せないか長期間模索していました。
そんな中、社長の佐上と会う機会があり、これからの日本企業に対してどのように価値のあるコンサルテーションができるのか、特にレガシーな企業の経営効率やトップライン向上に寄与するために何ができるか本質的に自分と向き合う機会が多くなりました。
いわば「令和モデルの経営者」である佐上の先進的なコンセプトと、自身の考える実益に直結するコンサルティングビジネスと掛け合わせることで、戦略/IT・DX/金融という新しい切り口でクライアントとコンサルタントの価値をともに向上させ、日本企業にも貢献できる次世代のコンサルティングのビジネスモデルへシフトさせる夢が生まれました。
EL
M&A仲介業をやられているM&A総合研究所とクオンツ・コンサルティングの関係性の中で、シナジーが生まれているなと特に感じることがあれば教えてください。
武藤様
大きく3つのシナジーがあると思っています。
まず戦略領域では、クオンツがM&Aをはじめとする中計/事業戦略策定だけではなく、クライアントの中長期戦略に紐づくロングリストの作成が可能で、ショートリストはM&A総合研究所が保持、もしくは作成可能なので、提案段階でどちらのリストも提示が可能です。また、その企業群に対するM&Aの実行と、すべてのDD領域のサービス、買収後のバリューアップ、カーブアウト等のシミュレーションまで一気通貫で行える点は弊社ならではです。外資金融機関/国内大手証券の投資銀行部門出身者、公認会計士やUSCPAを持つメンバーが多く在籍しており、買収企業がどれくらいグロースするのか、どのタイミングで売却すべきかといったアプローチもワンファームで可能です。
IT/DXの領域については、M&A総合研究所にて3年9ヶ月弱で東証プライムに上場できた背景にある、システムエンジニアリングの高い技術力や、IT/DX化の文脈で、今も秒単位でのシステム改善をおこなっている実績があり、効率的なKPI・KGI設定など、実践的な知見を蓄積しています。M&A総研の部長級は、キーエンス出身者や投資銀行出身者が約35%を占めており、クオンツのデジタル案件と協業し、実践的な営業支援も可能です。
最後に我々特有の価値として、金融の知見を活かしたクライアントの企業価値向上に直結するご支援を得意としています。各種IRや開示情報の整備やコーポレートガバナンス、ESG、株価直結型のアドバイザリー支援等、自社も企業の株価や時価総額をあげるミッションを持つ事業会社発のファームならではの独自のサービスを展開しています。
組織構成について
EL
クオンツ・コンサルティング内の組織構成についてお伺いできますでしょうか。
武藤様
アナリスト、コンサルタントについては完全なワンプールとなります。その後、シニアコンサルタントになると、M&A・ストラテジーと、IT・DX&オペレーションの二つのディビジョンに分かれます。ただ、分かれると言っても、所属のディビジョンの中の案件しか出来ないということではなく、社内の認定プログラムに合格すれば、所属外のディビジョンの案件に入っていただくことが可能です。
マネージャー以上の役職については再度ワンプールに戻ります。クロスファンクション・クロスインダストリーという形で、インダストリー×コンピテンシーという網の目に分けてしまうと、セクショナリズムが生まれてしまうと考えているため、我々はそこについては一緒にしています。アカウントフォーカスでやっていっても良いですし、インダストリーやコンピテンシーカットでフォーカスしてやっていっても良いと思っています。
このような組織構成を取っていることで、クライアント目線でも良い仕事が出来ると思っています。例えば、IT・DXの機能を持った企業の買収をしたいというお客様がいた時に、一般的なファームでは大体はM&Aの専門家が担当することになると思うのですが、実際のところIT・DXのことをわかってないと、良い会社かどうかを見極められないということになると思います。そのような時に弊社ではIT・DX領域を専門として経験してきたコンサルタントがM&Aについて勉強し、そのコンサルタントの視点で良い企業を提示していくということができます。
EL
マネージャー以上がワンプールというのは珍しい組織構成かなと思いました。ワンプールにすることのM&Aの観点でのメリットをお伺いしましたが、その他の観点でメリットを感じているところはありますでしょうか。
武藤様
本当の意味での総合力でクライアントを支援できるというところですかね。
現代の企業のトップ層の方は、自身が信頼しているコンサルタントに抱えている課題を領域によらず、一緒に悩んで解決してほしいというタイプが多いと感じています。そのため、M&Aのことは分かるけどファイナンスのことは分からないとか、IT・DXは分かるけど人事のことは分からないということになると、これからのコンサルタントとしての価値としては下がっていってしまうと考えています。そのため弊社では、現在のコンサルティング業界の激しい競争に勝てるような、総合的に支援ができる、いわゆるワンストップ型のコンサルタントの輩出を目指しています。
M&A・ストラテジーチームについて
EL
クオンツ・コンサルティングの中でM&A・ストラテジーチームが何を担っているチームなのかお伺いできますでしょうか。
武藤様
M&A・ストラテジーチームは大きく5つの領域に分かれます。①エンタープライズ企業の中計策定/事業戦略策定やM&A戦略をご支援するPure Strategy、②M&A取引におけるバリュエーションや各種デューデリジェンスの支援に加え、ディールの各フェーズにおける実行支援を担うValuation&Modeling、③Post M&Aとしての分社化やホールディングス化、カーブアウトに伴う組織構造改革の支援を担うTransaction&Execution、④コーポレートガバナンスの高度化や知財/無形資産等の企業価値向上のアドバイザリー支援、⑤買収後のPMI、コストダウンを狙った全社的なBPRなどをご支援するCorporate Governance & Transformationです。細かいところですとサステナビリティの観点で統合報告書の作成や、IR情報の提示、投資家への受け答えなどの資本施策の支援も一部行っています。
EL
M&A・ストラテジーチームに参画しているメンバーはどのようなバックグラウンドの方が多いのでしょうか。
武藤様
最低でも5-10年着実にランクアップをしている総合コンサルティングファームのストラテジー領域出身の方や、いわゆる外資の戦略コンサルティングファーム出身の方が多いです。あとは投資銀行や証券会社、ファンド出身の方も採用を強化しています。経験者のメンバーが多く参画はしていますが、未経験から参画しているメンバーも一部いて、コンサルティングは未経験ですが、事業会社で実際にM&Aを経験していた方や、エンタープライズ企業の中で子会社の経営管理を担っていた方、PMIをやられていた方が参画しています。
EL
バックグラウンドに応じて、担当するフェーズを分けているのでしょうか。例えば、会計士バックグラウンドの方は、デューデリジェンスの工程を中心に担当するなどありますでしょうか。
武藤様
バックグラウンドによって担当する工程・領域を縛るということはやっていません。一定の学習や経験は必要となると思いますが、会計士バックグラウンドの方がデューデリジェンスだけでなくM&A戦略立案の支援に入っても良いと思いますし、戦略コンサルティングがバックグラウンドの方が自身で描いた戦略に伴走支援する形でPMIまで支援しても良いと思っています。クライアントからしても、工程によって担当するコンサルタントが変わったり、他社へ引き継がれたりすることは余計なリードタイムやコミュニケーションコストがかかるので、弊社は出来る限り同じチーム構成で一気通貫の支援を行っています。
EL
在籍しているメンバーの方からは、一気通貫での支援を行っていくことに対して、どのようなお声が多いでしょうか。
武藤様
クライアントの経営層と一緒に5年後、10年後を見据えたストーリーを立てるところから事業の成長やM&Aの買収先とのシナジーの創出まで、中長期的な支援を自分自身が最後まで担当できるという点に、やりがいや成長を感じるという声をよく聞きます。コンサルティングファーム出身メンバーですと、コストダウンの戦略立案はストラテジーチームがやり、業務変革の伴走支援はインダストリーチームがやり、というように一気通貫で携われないことが多かったので、自分が長い間クライアントの価値が向上するところまでやっていけることが魅力的とよく聞きます。
今後の展望について
EL
クオンツ・コンサルティングの今後の展望をお伺いできますでしょうか。
武藤様
規模でゆくとすでに100名超えて、現状の成長を続けると今期はおそらく150名を達成するのではと思っています。ただ、あくまでも世の中にファームとしてのバリューを認知される目安として3年後に500人、5年後に1000人規模くらいには拡大していきたいと考えています。M&A・ストラテジーチームに絞った話をすると、今全社の65%くらいが戦略系の案件となっており、弊社への戦略のニーズが非常に高い状況ですので、M&A・ストラテジーチームについても今以上に加速的にメンバーは採用していきたいと思っています。
規模は大きくしていきたい一方で、売上至上主義になり、数字に悩まされてクライアントの本質的な課題解決から遠ざかることはしない方針にしています。そのためにKPIなどはかなり工夫して設定しています。特に戦略の領域については、中期経営計画の立案や、コストダウンの施策、構造改革などの支援は、常に需要があるわけではなく、有事の際に需要が出てくるものなので、その有事の時に備えられるクライアントへの理解の深さや、対応できる案件のバリエーションの多さなど、コンサルタントとしての質の高さにこだわってやっていきたいと思っています。
弊社は取締役会/経営・事業・グループ企業の全階層に入り込み、信頼をベースに企業変革や経営判断を、クライアントに促す存在にコンサルタントの役割をシフトさせたいと考えています。いわゆるコモディティ化が進む人工型ビジネスからは脱却して、経営・事業・グループ企業の各現場に入り込んでいるメンバーが、我々の得意とする金融やIRの知見も活かし、M&AやIT/DXの変革と合わせて、プリンシパル投資等を行うことでの中長期的企業価値向上及びそれと連動した報酬体系の整備も考えています。
コストダウンだけでなく、それこそ株価や売上等に連動することで、金融のレバレッジを活かし、結果的にクライアントやコンサルタント、投資家すべてにベネフィットが生まれるビジネスモデル変革を実現したいと考えています。
求める人物像について
EL
クオンツ・コンサルティングのM&A・ストラテジーチームに求めている人物像をお伺いできますでしょうか。
武藤様
企業価値向上にコミットし、経営者を励まし、時にはいさめ、一緒に伴走していくことに価値・やりがいを感じる人に来てほしいと思っています。中長期的な目線でゆくと、クライアントと長い時間軸でビジネスを一緒に作っていくということに価値を感じてくれる人です。それは自分自身がクライアント企業の経営に対して当事者意識を持ち、コミットしていくということでもあり、日本企業の価値向上に貢献していくということでもあると思います。
M&A・ストラテジーの領域は、世間一般的な印象ですと、高い専門性や論理的思考力が必要なのではないかと思われています。我々としては当然スキルも大事ですが、人柄もかなり重要だと考えています。というのも、経営者は孤独な存在で、その経営者に信頼され、大きな決断をしてもらうのは、頭が良いとかだけではなくて、その人が好きかどうかということも決定的な要因だと思っています。ですので、人に好かれるコミュニケーションが取れて、様々な部門の主張を整理できるような、バランス感覚に優れている方に来てほしいなと思います。
候補者の方へのメッセージ
EL
最後に候補者様に向けてメッセージがあればお伺いできますでしょうか。
武藤様
我々はコンサルティングに金融というレバレッジを掛け合わせることによって、もっと価値は出せるのではないかと考えています。HDのシナジーを活かしながら、全体として時価総額1兆円を超える企業を創り上げていくことにチャレンジし、自社の成長、日本企業の価値向上、M&Aコンサルティングの価値向上をしていきたいという思いを持っている方はぜひ門を叩いて欲しいです。代表である佐上や私の会社に参画するということではなく、自分がこの会社の中心になって新しいビジネスモデルを作っていきたいという人もウェルカムです。ぜひ一緒にクオンツ・コンサルティングの中核となって創りあげていきましょう。
EL
本日は貴重なお話有難うございました。
企業プロフィール
Profile
株式会社クオンツ・コンサルティング
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武藤 祐希 様
執行役員パートナー
イギリスの大学院を卒業後、BIG4の2社にてクライアント中期経営計画の策定や、構造改革、コーポレート部門変革、事業再編等のCxOアジェンダを中心としたコンサルテーションに従事。 その後、クオンツ・コンサルティングに参画し、M&Aや事業ポートフォリオ見直し等のストラテジー領域に特化し複数の案件推進を歴任。